「監獄のお姫さま」がおもしろい!クドカン脚本3つの理由

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はじめに 

「更正するぞー!」「更正!」

この掛け声ではじまるこのドラマ。

5人の罪を犯した”おばさん”たちのわちゃわちゃした復讐劇。

これがまた”不完全”犯罪すぎて笑えてくる。

誘拐するはずのこどもを間違えてしまったり、計画は穴だらけでめちゃくちゃだ。

でも「69番ねがいます!」と私もどこかで使いたくなるくらい、不謹慎だけど女子刑務所が楽しそうに見えてしまうのはクドカンの脚本だからだ。

このドラマがおもしろい理由は、そんなクドカン脚本の代表的なおもしろ要素をふんだんに含んでいるからだろう。

 

 ①登場人物があだ名

彼女たちは互いをあだ名で呼び合っている。

  • 馬場カヨ→「冷静に」「馬場カヨ」
  • 勝田千夏→「財テク
  • 大門洋子→「女優」
  • 江戸川しのぶ→「姫」「爆笑ヨーグルト姫」
  • 足立明美→「姉御」
  • 若井ふたば→「先生」

そのほかにも、「しゃぶ厨」「大しゃぶ」「小しゃぶ」などいろいろなあだ名が出てくる。よくよく思い返すと、クドカンのドラマであだ名はもはや必須。

木更津キャッツアイでは、「ぶっさん」「バンビ」「マスター」「アニ」「うっちー」と主要登場人物が全員あだ名。

うぬぼれ刑事では主人公はずっと本名がわからず、「うぬぼれ」という名前のままだった。

『未来講師めぐる』では全員ではないものの途中からあだ名が定着してくる。そしてなにより地井武男「徘徊じじい」と呼ばれていたのが爆笑だった。あとは江口秀夫を「エロビデオ」としたのはすごい天才的だった。もはやとんちだけど。

ほかにも、流星の絆ではあだ名として定着せずともツッコミとして「ぬれせんべい」や「かわいそ村の村長」などが出てきた。

マンハッタンラブストーリーでは主人公の本名は最終話で明かされ、それまではずっと「マスター」と呼ばれていた。「ベッシー」「えもやん」というもともとがあだ名で生活している人物も。そして登場人物は全員アルファベットで例えられていた。(これはあだ名なのかな…?)

とにかく何が言いたいかというと、ドラマの登場人物があだ名で呼び合っているのを見ると一気に高校のクラスメイトのように思えてくるっていうこと。

同じクラスで楽しそうにわちゃわちゃしている彼女たちを端から見ているような気持ちにさせられるのだ。

彼女たちのわちゃわちゃ感は増すし、そうすると一気に私たちは彼女たちが「羨ましく」なる。

私もそこに行って、何かあだ名で呼ばれたい・・・!

あだ名は、なんかそんな気持ちにさせられるパワーがある気がする。

 

②ドラマの中にテレビがある

これはすごい哲学チックな見出しになってしまったけど、単純な話です。

ドラマの中の登場人物が「テレビ番組」をみている、ということ。『監獄のお姫様』でも女子刑務所で見ていた「この恋は幻なんかじゃないはず、だって私は生きているから、神様ありがとう」というドラマが出てくる。そしてテレビドラマにきちんと続きがあるという、1作にして2作(いや、1.5作)楽しめるのも特徴!なんかお得!

そしてこのドラマでエキストラとして<女優>が女優デビューを果たした。それを見ていたのは<姫>だけだったけど、なんだかずっとネタで言っていた自分のあだ名が本当になるってちょっとすごい。少しじんとくるところだった。

ほかにも代表的なのはマンハッタンラブストーリー軽井沢まで迎えにいらっしゃい」。これはシナリオブックにも多分このシナリオがあった(はず)くらい、しっかり作り込まれていました。内容としては韓流ドラマと昼ドラと火曜サスペンスを足して割った感じ。

そして11人もいる!では、同じような家族を「ダイナミック一家として放送していた。言ってしまえば「ビックダディ」なんだけど、自分たちと同じ家族をテレビで見て「なんか貧乏くせぇな」と笑っている姿がシュールだった。

ほかにも未来講師めぐるでは「ちぃ散歩」をパロった「ぢぃ散歩」。ドラマではないし、登場人物が見ていたわけではないけど、これが不思議。

ドラマでは「めぐるのおじいさん」なのに「ぢぃ散歩」をしているときは「地井武男」。めぐるに会っても声すらかけずに番組を全うする。不思議な感覚だった。

 

1.5作味わえるみたいでお得だとは書いたが、なにより自分たちと近い位置にいる、というのが一番の魅力だ。テレビドラマの中の人物たちがテレビを見ている。わたしたちと同じように、テレビドラマを見ている。わたしたちが見ているテレビドラマの登場人物たちがテレビドラマを見ている…なんかごっちゃになってきた。

「現実にありそうで、ない」これがテレビドラマだと思っているので、これはまさにその通り。なんかこんなテレビありそうだけど、ない。なんかこんな人たちいそうだけど、いない。そういう絶妙な距離感を感じることができる。

 

③ファンタジーな「普通」

これが一番書きたかった!なにより、クドカンの脚本を私が好きな理由はここにあるから。このことをつぶやいたら見たことないくらいの「いいね」がきて、すごく嬉しかった。自分に「いいね」でした。

 

木更津キャッツアイは、簡単にいうと【主人公が余命半年で余生をどう生きるか】というドラマ。なんだかこれだけを聞くと、重くて暗くて涙なしでは見れないドラマのように思えてくる。

でもここで彼の仲間たちはぶっさんを【余命半年】として扱わない。ビールで乾杯もするし、無茶させるし、「うざい」だの「あ、でもその頃にはぶっさんいねーな」といってしまうくらいの無神経ぶり。

でもこれこそがぶっさんのもとめていた「普通」の生活。でも、彼らはあえて「普通」を全うしていた。そりゃそうだ。友達が余命半年で、普通に接してくれよなんて無理な話だ。ワールドシリーズで彼らはぶっさんに「ばいばい」したけど、それまでやっぱり無理をしてハイテンションだったのかもしれない。だけど彼らは「普通」を提供してきた。この優しさこそ、ファンタジーな普通だと思う。

流星の絆だって【兄妹が親を殺した犯人に復讐する】話なわけだけど、AVだって見るし、合コンも行くし、ナンパだってする。

遺族が笑ったっていいじゃん!

女ひっかけたっていいじゃん!

普通のやつらと何が違うんだよ!

親殺されたか殺されてないかの違いだろ!?

いつまで遺族なんだよ!

いつまで遺族って言われなきゃなんねーんだよ!

 この泰輔のセリフは本当に名セリフだ。彼らはずっと「普通」を求め続けている。復讐をしていないときは、「普通」に生きている。

そして今回の『監獄のお姫様』では、馬場カヨは獄中結婚ならぬ獄中交際を検事に申し込まれる。バラの花束を持って。

自分、同情してるわけじゃありませんから。

なんとも思ってませんから。

会うたび印象違うんで。刑務所くるたびにウキウキするっていうか。

刑期を聞いて「なげー!!!」と言っちゃうあたりが笑える。ただ「普通」に交際を申し込んでいるんだとわかる。

馬場カヨは面会という言葉にウキウキするし、検事は刑務所くるたびにウキウキしてる。こんなの普通じゃないよ!と突っ込むところなのかもしれないけど、これこそファンタジーな「普通」!こういう普通があったっていいじゃん!

勇介を獄中で育てていたときも、彼女たちはそこでは「普通」の女でいられた。

「普通」の日常を送ることをもう許されなくなった彼女たちにとって、それはもうファンタジーでしかない。

「普通」ってなんなのか、クドカンはずっとその質問について考えているような気がする。

 

おわりに

あとこのドラマで新しく取り入れた要素としては、

  • 過去と現在が同時進行
  • ほとんどワンシチュエーション
  • メイン登場人物が全員女

っていうところな気がします。「ご飯の歌」とか「ざんげ体操」とか歌を作るところもクドカン脚本だなって思った…けど書いてないや。『ぼくの魔法使い』「こーきっちゃん♪」とかうぬぼれ刑事うぬぼれ刑事のテーマ」とか。

木更津キャッツアイ「赤い橋の伝説」は普通に泣けるいい歌詞だったけど、他は結構ふざけてたり不謹慎だったりでクドカンらしくていいですよね。

偉そうなことをつらつら書いていたけど、結局はこのドラマ最高に面白いよねってことが伝われば嬉しいです。

来週も楽しみ。

「我輩の部屋である」ー本当の自分は、自分の部屋にしかいないー

「吾輩の部屋である」の画像検索結果

 

部屋にいる自分を側から見たら悲惨なものだ。

テカテカのすっぴん、自堕落な体制、そして何より意味のわからないTシャツを着ていたりする。好きな人がいたり、彼氏がいたらこんな姿は見せられない。すぐさま変なTシャツは脱いで、ジェラピケのモコモコのルームウェアに着替えるし、ルームスプレーだってふるかもしれない。明らかにそれは「よそいき」の私だ。

 

リラックスした自然体の自分をさらけ出せる誰も見ていない空間、それが自分の部屋だったりする。そんな素敵な空間を守るのは、主人である自分しかいない。

だからこそ、台所にあるスポンジたての吸盤が弱くなったことも、カーペットの角が少し立ってしまっていることも、どうでもいいことのように見えて、一大事だ。

 

「我輩の部屋である」の主人公・哲郎は必死に、自分の部屋である城を守るために一生懸命。

例えば、お母さんにもらったお土産のこけし1つで部屋の空間は変わってしまうと哲郎は空間演出を考え始めたりする。明日のデートに向けて効率の良い部屋干し方法を考えたり、山間部斜面再現を試みたり、哲郎はいつも大真面目に考察している。

 

主人公の哲郎は大学院生で、自分の部屋で大真面目に考察したり、大好きな植村さんとのことを考えたり、親友の吉田と喧嘩をしたりしている。

このドラマに出てくるのは主人公の哲郎ただ一人。そして彼の部屋に置いてある家具たちがツッコミ役で登場している。ただ部屋にいる哲郎を見ている視聴者の代弁役といったところだ。だからこそ本当に哲郎だけしか出てこない。

哲郎の周りの人間と言えば、大好きな植村さんと親友の吉田、そして自分に好意があると勝手に勘違いしていた佐々木さん。彼らは声すらも出てこない。

本当に哲郎と彼の部屋だけである。

 

強気に出たり、カッコつけたり、学者風になったり、色々な姿の哲郎が、その部屋にいる。私も自分の部屋で色々と独り言を言ってしまうから、哲郎の気持ちはよくわかる。あそこまでおかしくはないけど。(笑)

植村さんのメールや電話に一喜一憂したり、普通に電話番号を聞けばいいのに、どうしたら聞き出せるか試行錯誤している感じもとても可愛い。

家具たちツッコミも冴え渡るが、それくらい私も哲郎に突っ込まずにはいられなくなる。ツッコまれても、カッコつけ続ける哲郎だが、きっと友達の前ではこうじゃないだろう。

いきなり「えぇ…?」と素っ頓狂な声を出しちゃう哲郎が本当の哲郎だったりする。

そんな哲郎がとても人間らしい。

 

いろんな自分が出せる空間、そして突っ込まれても気にしないで演じられる、自由で最高の空間、それこそが「我輩の部屋である」。

「雨が降ると君は優しい」ー野島伸司の描く無償の愛ー

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セックス依存症に悩む彩ちゃんがなぜかピュア!

この間ようやく見終わった、「雨が降ると君は優しい」野島伸司脚本のHuluオリジナルのドラマ。これが面白かった。

「性と愛、性愛だよ。愛よりも上に性がきてる」

こんなセンセーショナルすぎるセリフが出てくるのも野島伸司ならでは。「バラバラドッカーン!」とか。

野島伸司っていうと、“野島三部作”とか言われて過激で暗くてヤバそうなドラマが多いし、最近なんかよくわかんない!なんていう大人はたくさんいるけど、私は最近の野島作品がすごく好き。

トレンディドラマの頃の「すてきな片思い」101回目のプロポーズももちろん好きだけど、「ラブ・シャッフル」以降の野島作品が“やばい”って言われてきたあたりの作品も視聴率こそよくないけど、たまらなく面白い!

地上波で最近始まったパパ活も楽しく見始めたけど、「シニカレ」「49」「プラトニック」あたりも好きかなぁ。

どれも「死んでいる彼」がいたり、「実の父親じゃないパパ」がいたり、母親にときめいちゃったり。なんかセンセーショナルすぎない?って感じですが、だけどなんか野島作品の主人公たちは綺麗なまま。それがすごく不思議。

野島伸司が受けていたインタビューでこんなことを言ってました。

僕としては、そんな作品でも、人間のピュアな部分、人間の本質を描きたいと思っています。そのために、物語の中に何か一つ“枷(かせ)”を作ることを心掛けています。 

 野島作品で大事なのはその枷があるからこそ。そしてそれがあるから、どんな困難な状況にあってもピュアで綺麗に見えるんですね。

今回の「雨が降ると君は優しい」のヒロイン・彩ちゃん(佐々木希)も、まぁ可愛い。白ばっか着てるからなのかもしれないけど、本当に純真無垢な天使にしか見えない。セックス依存症な女性だなんて全く思わないし、思えない。物語が進んでも、彩ちゃんが汚れないのは、そういうことなのかもしれない。

佐々木さんの純粋で美しい少女性は、彩の“罪悪感を持ちながらもどこかあどけない欠落感”に郷愁をもたらしてくれるでしょう。

野島伸司が言っているように、あどけなくて可愛い彩ちゃん。まさに少女性を感じます。そんなセックス依存症(性嗜好障害)をもつ妻と夫の愛の物語、それが「雨が降ると君は優しい」

 

野島伸司が描く“無償の愛”とは?

正直、普通に考えて愛する人が知らない相手と一夜を共にしている(しかも何度も)なんて考えただけでも辛すぎる!それが不倫となったら速攻離婚だよ!という話だけど、これがそうはいかない。これは心の病で、彩ちゃんは旦那への罪悪感と自分への嫌悪感とずっと戦っているから。

私が一番ぞくっとしたシーンは、彩が一度関係を持った男にストーカーされていて、家に入ってきて犯されそうになったところ。そこで旦那さんが間一髪助けるんだけど、これはどう見ても出会い系をやっていた証拠だし、関係をもったことを言っているようなもの。

彩ちゃんは真っ先に否定します。「違う、これは違う」って。そりゃそうなんだけど、そこで彼は笑顔で振り返る。狂気に満ちた笑顔なんかじゃなくて、本当に愛しい人を見るような顔で振り返るんです。そんなこと普通じゃ絶対できない。

でも「それだけ愛情があるんだね…!素敵!」なんて純粋に思えなかった。

主人公の信夫は、たとえ石を投げられても邪険に扱われても、どうしても愛する人を嫌いになれない。それは母親への感情とほとんど一緒で、それこそが野島伸司がいつもヒロインを描く時に共通しているところ。

「S.O.S」深田恭子が演じた唯ちゃんや「シニカレ」桐谷美玲が演じたルリ子みたいに、清純で疑いを知らず、力強くて優しくて、自分だけを愛し、信じて守ってくれる。そんな女いるか!って突っ込みたいところだけど、それは自分にとってのお母さんだったりお父さんだったりするのかもしれない。

いわゆる“無償の愛”というのは、子供に対して持つことはあっても、恋人や夫婦の間で感じることって限りなく少ないと思うんですよ。

でも男女の関係においても、お互いに相手に対して、男性が父性本能を、女性が母性本能を感じた場合、明らかに恋とは違う、無償の愛に近い感情が生まれることもあるんじゃないかと。

 野島伸司がこう言ってましたけど、信夫と彩にはそういう感情があったのかも。じゃないと結婚生活を続けるなんて到底できない。そういった感情こそが無償の愛であり、素晴らしい愛のかたちなんでしょう。

 

■依存こそ、愛なの?

そんな旦那さんの信夫も尋常じゃない。とにかく何をされてもずっと笑顔。笑顔が張り付いて離れない、不気味なくらい笑顔でいっぱいの男性です。

彩は、そんな信夫の好きなところを「ずっと笑顔なところ、ずっと笑顔だから、いつ笑顔じゃなくなるか知りたくて結婚した」と言ってました。それもまた怖いけど(笑)。信夫も母親に対して大きなトラウマを抱えているので、愛されるためにはずっと笑顔でいなきゃいけないと小さな頃から言い聞かせてきたのかもしれないですね。彩を誰にも見つからないように田舎にとじこめたのも、信夫自身が永遠の愛を信じられていないんでしょうね。信夫も彩に依存してる。

カウンセラーの志保も、アルコール依存症の和馬に依存しているし、和馬は亡くなった妻に依存していて、百合もしかり。

彼らはみんな心の闇を抱えていて、他人に依存することに対して葛藤しています。どこか文学的で、だけど人間臭い、そんな登場人物たちがとても魅力的に描かれています。

 

まとめ

“妻のセックス依存に対する罪悪感”夫の“理解しようとする葛藤”という、心と体の二律背反を描くことで、夫婦の愛の絆を試す極限状態の磁場を敷きました。

野島伸司が公式サイトでこのようにコメントを出してました。

夫婦の絆は、不倫やお金の問題によって簡単に消滅してしまうものなのかもしれない。最近も不倫が話題になってますが、それは彼らの愛の絆が緩かったからと言ったらそんなことない。この夫婦の愛の絆がおとぎ話の王女と王子のように、ファンタジーなのかも。現実味はないかもしれないけれど、彼らの絆こそ“無償の愛”だと言えるはず。心の本質を描いた、深い恋愛ドラマだと思います。

夏クールドラマ総まとめ!

今期のドラマが始まりはじめました!ということで遅くなりましたが前クールのドラマについて書こうと思います。
 

■夏ドラマ総評まとめ

とにかくハラハラさせることが大事!

私が見ていた夏期のドラマを4つに大きくわかるとしたら、
ダーク青春もの・頑張るヒロインもの・サイコパス/クズ主人公もの。それに加えて医療ものが1つという感じですかね。
 
刑事もの・医療ものだらけのクールも昔はあったし、そこから見たらガラッと変わりましたね。人間ドラマもあれば、サスペンスもあったし成長ものもありましたが、純粋なラブストーリーはなかったかなぁ。長瀬くんと吉岡里帆「ごめん、愛してる」は完全なる韓流ドラマだし、所々「韓流くさい」演出も見られて純粋にラブストーリーとして見られなかった。でも、主人公が歩道橋の上でデートの帰りに長瀬くんが振り向くか振り向かないか試しているところは、ときめけたけど。なんか月9っぽさを感じられたし、恋愛ドラマとかトレンディって韓流と近しい部分もあるよなぁと再確認しました。
 
なかでもダーク青春もの僕たちがやりました」「わにとかげぎす」「ハロー張りネズミあたりはかなり挑戦した感じがあった、というより犯罪スレスレ(むしろアウト)で暴力満載、セクシーもあるよっていう深夜ドラマ感満載な要素がゴールデンに来ていた印象。それこそ生きるか死ぬか、ヤるかヤられるかっていうハラハラ。なんかアウトレイジみたいな話だけど(笑)。
主人公にハラハラさせられたという意味では、「愛してたって秘密はある」「伊藤くんAtoE」あたり。主人公がサイコパスだったり、クズだったり犯罪者だったり。結局そういう主人公にハラハラさせられてドラマに引き込まれていく。ちょっと笑っちゃうくらいおかしいくらいがちょうどいいのかな。
そんな中に、みんな大好きな頑張るヒロインもの。朝ドラの純真無垢に頑張る感じというよりは、どこか斜め下くらいの角度から狙ってくる頑張り方を見せた「カンナさーん!」「過保護のカホコ渡辺直美が演じるカンナさんは顔芸満載、踊りもファッションショーもこれでもかってくらいハッピーな働くシングルマザー。クズな夫に振り回され、姑にいじめられても頑張って戦う感じが、もはや渡辺直美ではまり役だった。それにとにかく応援したくなるのは、渡辺直美だからこそ。可愛くて純真そうな女の子より、化粧がっつりで奇抜なファッションにふくよかな体型、それでいて笑えるって、そんなの応援するしかない!そして、話題になっていた高畑充希演じる大人の小学生カホコちゃん。OP映像でどんどんカホコが成長して最後はウェデイングドレスをきてるっていう微妙な演出がにくかったなぁ。「すんばらしいよ!!!」をまん丸の目で連発するカホコ。なんかよくわからないけど、カホコの存在にハラハラさせられました。あの走り方と目の見開き方、初くんは本当にカホコでいいのだろうか…。最初は、なんか違和感がすごくて怖いなと思ってましたが、それくらい斜めに描くからこそハラハラさせられて応援したくなるのかもしれません。どちらかというとカンナもカホコも(名前似てるな)異次元で、同じ人間ではないかもしれない…というと失礼かもしれないけど、違う国に生きてるフィクションだって思えるくらいのおかしさがある。だけどそこにちょっと自分も共通する部分があったりして、ハッとさせられちゃう。これがドラマの醍醐味だなと思いますね。
それでいうと、「うちの夫は仕事ができない」のヒロインも頑張ってましたけど、あれもフィクション感がすごい。旦那を献身的に支える妻、こんな子に出会いたいってドラマってことでいいのかなぁ…。関白宣言みたいな歌が主題歌だしね。元気に頑張る若奥様感がすごくて、一視聴者としては「勝手にやってよ…」感が強かったかなぁ。錦戸くんというイケメンを夫にもつ(仕事できないといっても高給取り)松岡茉優に私が嫉妬してるだけ?(笑)。これはヒロインに対するハラハラ感というより、錦戸くんに対するハラハラですね。馬鹿正直に仕事をこなす、という人に対する生き方へのハラハラ。「セシルのもくろみ」とかも頑張るヒロインだとは思うけど、あれはあれでいろんなことへのハラハラを感じました(笑)。
そして高視聴率を記録した安定鉄板のコード・ブルーは、そりゃハラハラするでしょうよ。ハラハラしかしませんよ。だって人間の生死に関わる医療の現場で、そして感染病にかかったり(実際は違ったけど)、自殺したり(生きてたけど)、ハラハラしかさせられませんでした。脚本家が変わったということもあり、ちょっと恋愛要素が強くて、みんな恋愛してんじゃん!感は否めなかったけど。
そんな感じで、そういうハラハラ感を刑事ものとかの代わりに取り入れてました。とにかくハラハラさせたら勝ち、みたいな印象を受けましたね。
 
コード・ブルー

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脚本: 安達奈緒子 演出:西浦正記
何がいいって主題歌だけで感じるこのエモさ。私がこのドラマを好きな理由は、彼らが青春そのものだから。
医療はチームってよくいうけど、どこか「オレンジデイズ」っぽさが抜けない、「青春を共にした僕たち」感が強くて、だからこそエモいんですよね。今回は恋愛要素たっぷりでっていう批判もありましたが、恋愛がない方もちょっとおかしいような気がするのも事実。でも確かに誰もかれもが恋愛していて、結局何にもなってないっていうのはどっちつかずだったなぁ。
 
僕たちがやりました

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脚本:徳永友一 演出:新城毅彦
“俺の人生そこそこでいい”って言い続けた彼らがクズだけど必死に生きる青春って感じかな。爆破事件の容疑者になってしまって、逃げるっていう「青春逃亡サスペンス」らしい。青春逃亡サスペンスって何!?っていう感じだけど、とにかく逃げることにエモさは全くない…。主人公が犯罪者ということは、いくら逃げても変わらない。たまに死にたくなったりはするけど、でも向き合っていかなきゃいけないっていうメッセージなのか…?誰もが青春にもがき苦しむんだろうけど、それが犯罪っていうところに共感はできないから、単にハラハラしたなぁ、という感じの感想しかない…(笑)。
 
わにとかげぎす

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脚本:高橋泉 演出:坪井敏雄
ヒメアノ〜ル」とか「ヒミズ」を書いた方の原作っていう時点でダークだろうなと思っていたら想像以上に面白かった。コムアイちゃんもよかったし、扱う問題はダークなんだけど、有田哲平の不器用な可愛らしさと翼ちゃんの安定の天使具合が重なって、ダークすぎずに見れた。“最強に最弱な男”が、友達作りに奮起する様も可愛らしいし、その結果大きな事件に巻き込まれて平々凡々だと思っていた人生が狂っていく。ただ、人生を少し豊かなものにしようとして挑んだはずだったのに。日常を幸せなものにしようとしただけなのに、すぐそばに闇があるっていうのは今の私たちの生活にも置き換えられるし、何気に深いドラマでした。
 
「ハロー張りねずみ」

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脚本・演出: 大根仁
大根仁で深夜ドラマなんて、楽しいに決まってるよねってことで楽しみにしてたこのドラマ。正直、意味わかんないなっていう回もなきにしもあらずでした。いい意味でですけど、それをドラマとして成立させてしまうのがすごいですねぇ…。なんか「木曜の怪談」とか観てんのかなっていうくらいの世界観の時と、寅さんみたいな世界観の時と、振れ幅が広すぎて困惑してしまったけど。突飛すぎて置いていけぼりにされたような感覚も味わいました。人情話も多めでしたが、予告で「泣かせます!」って瑛太に言われたんで、泣いてやるもんかと思いながら観てたら泣きました笑。ちなみに森田剛の回ですけどね。あれはずるいよなぁ。何より置いてけぼりになったのは最終回で野田洋次郎がきたところ。なんか始まるのかと思ったら、歌います!ってそりゃないだろう!ドラマどこ行ったんだよ!
でも野田洋次郎はファンなんで個人的には嬉しかったけどね。 
 
「カンナさーん!」

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 脚本:マギー 演出:平野俊一

 朝ドラばりのヒロイン頑張り系ドラマ。クズな夫と可愛い息子と頑張る私!が前面に出てるドラマでした。いつも明るく元気すぎるくらいのカンナさんが姑とか美女とか夫の浮気相手に仕事と、たくさんの敵と戦っていきます。(敵多すぎるな)

私はすごく楽しく観てましたが、若干暑苦しさもあり、コミカルに描きすぎていて疲れるなという感じもあります。というか、ここまでの仕打ちを受けても元気すぎるカンナさんは謎すぎる…。ちょっとは落ち込んでくれ。笑

 

過保護のカホコ

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 脚本:遊川和彦 演出:南雲聖一

箱入り娘が体験する、「こんなの初めて」な「スンバラシイ」出来事は、私たちが日常で忘れていた・見逃していたこと。初めて世に出たカホコだからこそ気がつける、人の温かさや家族の大切さ、そして人間の本質。カホコのおかしなフィルターから覗く感じもたまらなく楽しかった。遊川さんの描く「歪んだ愛のかたち」は、愛しすぎてしまう親の思いだったり、すぐに結婚や子供を生みたいというところにつながる打算のないカホコの恋心だったり、過剰すぎるようで誰しもが持っているはずの感情の根源のようで、なんだかハッと気付かされるところが多いです。

ちなみにカホコの財布がFENDIで、なんかそういうところにも過保護感を感じて笑いました笑。 

 

「セシルのもくろみ」

f:id:tvdramako:20171014211055j:plain脚本:ひかわかよ 演出:澤田鎌作

読者モデルっていうワードは、もはやもうオワコンなのかもしれないですね。それでのし上がっていくスポ根ものというのには、あまりにも題材が古いし、それをいい歳の女性がやるのはなんか違う気もする。というかモデルじゃダメなの?「ファーストクラス」くらいドロドロに女の戦いをやられた方がスカッとするのに、どこか皆いい人で仲直りってなんじゃそれだし、とってつけたような真木よう子の大演説も視聴者ながら「いつ終わるんだろう・・・」と思ってしまいました。そして真木よう子が商店街でバイトして、ちょんまげでギャーギャー大声で笑ったりする庶民的な感じがマジで合わない。「SP」のクールな感じの方がぴったりだし、とにかくイタかったかな…。

女性陣は美しくて大好きなのになんだか宝の持ち腐れだったし、ストーリーもなんだか…。唯川恵さんって「肩ごしの恋人」の作家さんだし、原作は面白そうなのになぁ。なんだか残念な印象ですね。

 

「うちの夫は仕事ができない」

f:id:tvdramako:20171014211315j:plain脚本:渡辺千穂 演出:佐藤東弥

 見た目よし、学歴よし、収入よし、そんな理想の夫がお荷物社員だった!っていうけど、でも大企業に勤めてて奥さんは専業主婦ならそれでいいんじゃないの?って思う僻み根性の私。仕事ができるできないの基準も曖昧で、それこそ窓際族という感じの扱いではないし、「ニモちゃん」と呼ばれている程度。しかも辞めさせようとして厳しい部署に行かされた割に結構できてるし、なんだかんだうまくいってんじゃない?と思ってしまう。毎回毎回踊っていたけど、踊ればいいってもんでもないし笑、毎回同じ曲だったからもっと変えてもよかったかも。主題歌にもあるように、「いい奥さんもらってよかったね…」の一言。

夫婦揃って頑張ってるから、ほんわかして見られるのはいいけどちょっと単調すぎて、錦戸くんはラストフレンズみたいなDV男とかモテまくる男とか、そういう方がいい気もする。悪い男ってわかってるけど、離れられないみたいな。こんないい人丸出しで眉毛下げた役が多いけど、勿体無い気がするなぁ。

 

「ごめん、愛してる」

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脚本:浅野妙子 演出:石井靖晴
韓流キターーー!!!ってなくらい韓流もの。親の愛を知らない・余命いくばく・腹違いの兄弟・邪魔してくる付き人っていう韓流要素満載でした。池脇千鶴がうますぎて震えましたが、それは置いておいて。浅野妙子さんだから恋愛ものは絶対面白いんでしょうけど、だったら別に韓流じゃなくてもよくない?というのが正直なところ。韓流要素が満載だからちょっと笑っちゃうんだよなぁ…。雷とか雨の中、衝撃的なものを見る中村梅雀とか笑。しかもピアニストで裕福な弟と、地べたを這いずり回っていた孤児の兄ってなんかもうそれだけでドラマチックすぎて…。
最終回で海に歩いていって孤独にこの世をさったんだろうけど、あれからどうやって移植したの???とか色々考えちゃって、拍子抜けの終わり方だったなぁ。感慨深いって言えばそうなのかもしれないけど…。
 
「愛してたって、秘密はある。」

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 脚本:桑村さや香 演出:河合勇人
普通に最初は、サスペンスで楽しんでいたんですが、まさかのサイコパスばりの二重人格ものだとはびっくりしました。「池袋ウエストゲートパーク」のカオルを思い出しまいたね(笑)。
途中から、サイコパス福士蒼汰についていけずでしたが、最終的によくわからない感じになってましたね。二重人格だったんだ!それで!?って期待が高まったところに変なところに着地させられた印象。もうちょっと楽しませて欲しかったし、二重人格のくせに最終的にいいやつっていうのもよくわからない。そしてそんな彼でも愛せる!待てるよ!っていうのもなんか嘘くさいなぁと思ってしまいました。私の心が歪んでるのかな…(笑)。
 
「伊藤くんAtoE」

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脚本:喜安浩平 演出:毛利安孝
原作が大好きな私にとって、最高でした。映画が楽しみで仕方ない!これだけよくできた女性描写はないなと思ってます。きっと女性は誰でもこの4パターンにどこか引っかかるような気がしてます。
クズな伊藤くんだけど、なぜか振り回されてしまうハラハラ感と、その度に凹む女性特有の「何やってんだか・・・・」感。
佐々木希ちゃん演じるAタイプが、小説の中で「ショーケースに飾られたブランドバック」と表記されていたのがすごくゾクゾクしましたね。百貨店で売られている高価なブランドバック(しかも飾られてる)ともなると、実用性よりデザインで、普段使いはできない。となると、男からしてみれば連れて歩くにはいいけどめんどくさい。だからモテない。そしてなぜか伊藤くんからはぞんざいに扱われてしまう。「なんで私が!?」っていうプライドで立ってる、そんな女性がすごくリアルで。しかも結局伊藤くんが選ぶのはずっと地味な女の子だったりするところも、街でよく見るイケメンと普通の女の子だったり、美女と微妙な男の子だったり(失礼ですみません)の構図なのかなって思いましたね・・・。
リアルでゾクゾクさせられる素敵なドラマでした。面白かった〜!
 
まとめ
こんな感じで振り返っていきましたが、ハラハラさせられる作品が多かったですね。
他にも私の大好きな野島伸司のhuluuのドラマも最高に面白かった。「パパ活」も始まったし、今期のドラマも楽しみです! 

「過保護のカホコ」何がそんなにオススメなのか。

今期一番オススメのドラマはなんですかと聞かれたら、大体の人がみんなこぞって「過保護のカホコ」と言ってるような気がする。

じゃあ何がオススメなのか。

カホコが「すんばらしいことだよ…!」とか「こんなの初めて…!」って言うのが面白いから?

それとも、snowのアプリばりにみんなが動物になっているのが面白いから?

単純に竹内涼真がかっこいいから?

 

そんなの全部ひっくるめて、オススメできる条件かもしれません。

でも私は、「異常すぎる」人を描くのが、脚本を担当している遊川和彦はうまいからなのかなと思います。

 

ちょっとした人間の欠陥をクレイジーなくらい大げさに描くことで、視聴者はそんな彼らをバカだなぁ・ヤバいやつらだなぁと笑ってドラマを楽しむ。

だけど、どこかちくっと心を刺す部分がある。それが、

 

「もしかしたら私もこうなのかもしれない」

「このままいくと、私もこうなってしまうかもしれない…」

 

これは遊川和彦からの警告なのかもしれません…。

では、そんなこのドラマの魅力について、考えていきましょう!

 

 

主人公がとにかく「ヤバい」。

このドラマをみた私の第一印象は、「カホコ、なんかこいつヤバいんじゃないか」に尽きます。

洋服を決められない、家まで送り迎えがないとだめ、バイトもしたことない、恋もしたことない…ここまではいいんですよ。

こんな人きっとざらにいるし、そんな特に気になるところではない。

「ああ、過保護だよね」

それだけで終わる気もする。

合コンで「私門限があるの」って帰る女の子も、いるにはいるし。

 

ただ、カホコはヤバい。何がヤバいって彼女は、まだ赤ちゃんだから。

名探偵コナンの真逆で、「見た目は大人、頭脳は子供」ってやつです。

まんまるの目を見開いて、「スンバラシイよ!」と涙を流すのなんて、大人なのか子供なのかよくわからない。

不満なことがあると、変な顔をしてそれを表情で表すのは、赤ちゃんがお腹を空いたと言わんばかりに泣いているのと全く同じ。

そんなカホコに、なんかイラっとくるのは私だけなのかな。

それくらい自分でしろよと説教したくなるこの感じ。

そんなカホコに関わりたくはないけど、見守りたくなる不思議な感覚。

毎週見ちゃうのは、そんなアブナイヤツが気になって仕方ないからかもしれない。

そして周りにいる登場人物たちのキャラも明確で、ライオンだなんだって動物に例えられているのも面白い。

そしてみんなそれぞれヤバいのもこのドラマの魅力の1つかもしれません。

 

 

怖いくらいまっすぐなカホコの恋愛事情

最近の恋愛ドラマはー、なんてみんな言ってますね。

昔のトレンディドラマや月9みたいにストレートだったり、あるいは変化球を投げまくったり、色々な試行錯誤がなされていますが、今回は怖いくらいにまっすぐ。

なぜなら、カホコが何も知らないから。

 

色々理由はあったにせよ、彼に純真に「子供作ろうよ!」とまで言い出す始末。

そのあと「カホコと結婚したくないの!?」とぐいぐい迫っていく肉食っぷり。

というのも何もわかってないから言えてしまうことなのかもしれませんが。

こっそりゼクシィを置いておくなんて小技は、カホコには通用しません。

でもなんかそもそも恋愛って、駆け引き考えずに要するにこういうことなんじゃないかなって思わせてくれるのがカホコの恋愛の良さかもしれません。

 

初めて浴びせられる自分への中傷に「ひどい」と思い、外の世界を知り、そしてそんな彼を「すごい」・「優しい」と思い、毎日「会いたい」と思う。

カホコはこれが「好き」だということに気がつきます。

 

また明日ってこんなにステキな言葉って知らなかったから

 

カホコが4話で初くんにこう言っていました。

カホコにとって、今まで自分を明確に必要としてくれていたのは家族だけだった。でも家族以外から必要とされて、明日も会いたいと思ってもらえる、それが特別で幸せなことだと気づいて、涙する場面です。

そしてそんな彼に「何かしてあげたい」と思い始める。

 

どんどんそうやってカホコは初くんにまっすぐ恋をしていきます。

こうやって、きちんと「恋する」ということに順序を立てて、きっちりと描いていっているということにキュンとさせられまるのかもしれません。

 

何も知らないカホコが色々な体験をすることで、改めて社会とは何か、そして恋することはどういうことなのか、家族とは、生きるとは…そんな核心に迫っていける「過保護のカホコ」は素敵なドラマだと思います。

 

オススメポイントは2つ、主人公がとにかくヤバいこと、そしてそんな彼女の目を通して、物事の本質に気がつけること。

後半戦も楽しみたいです!

 

 

 

2017年4〜6月期ドラマまとめ(独断と偏見によるランキング)

今期のテレビドラマが続々終わりを迎えております。

最終回が本当に印象に残らない作品が多いなっていうのが私の印象でした。基本的に最近のテレビドラマはそういう気がします。なんか、切ないですね…。

 

2017年4月〜6月期のドラマまとめ

独断と偏見によるランク付けまとめ。

私が見ていた作品は、(離脱・完走含め)

 でした!これから追いかけて再生しようと思ってるのは、「笑う招き猫」「3人のパパ」「残酷な観客達」「ツバキ文具店」「みをつくし料理帖」「4号警備」「火花」あたりですかね…。結構多いからいけるか微妙ですけど楽しみ。

 

第16位 貴族探偵

☆☆☆☆

文句無しの最下位〜!!!!笑 私も序盤しか見れておらずで、たいそれた感想もないんですけど、なんで離脱してしまったかというと…。やっぱり探偵には自分で推理してもらいたい。この一言に尽きます。貴族で探偵っていうのは、寿司職人と探偵くらい異色で面白くなりそうなのに。自分が動かずに推理するっていうのはいいとして(貴族だから)、全てが頼りきりで、そのくせ偉そうっていうのは…。何でもかんでも「貴族だから」って一言で済ませられるもんじゃない!!そしてコメディ調かと思いきやそうでもないし、なんだかよくわかりませんでした。マッサージ探偵の方が、まだ推理してる。

 

第15位 フランケンシュタインの恋

☆☆☆★★

 おそらくいいドラマなんだっていうのはわかってるんです。「泣くな、はらちゃん」みたいにじわじわくるいいドラマなんだろうっていうのは伝わってくるけど、いかんせん私はあんまり好きじゃなかったです。好みの問題かもしれませんが、とにかくあの突如出てくるボコボコが本当に苦手でした。しかもフランケンシュタインが寝ていた布団についたキノコをバターソテーして出してみんなで食べているのもゾクゾクしてしまい…。そしてフランケンシュタインが一体、歴史的にどう扱われていたのか、初期設定がわからないので初回から置いてけぼりな感じがすごかったというのが印象でした。まだ「妖怪人間ベム」とかの方が、バカバカしいけど切なさを率直に感じられた気がします。あぁ、とにかくゾクゾクした…。

 

第14位 兄に愛されすぎて困ってます

☆☆☆★★

 これがこの位置にくるのはどうなんだっていうランキングですね…笑。とにかくモテてモテてモテまくる主人公の話で、映画への伏線ドラマでした。内容があるかと言われたらない…です。面白いかと言われたら…普通です…。でも深夜にあのテンションで30分という枠なら、いいかなっていう感じで、みんな可愛いし少女漫画らしいバカバカしさがいい意味で軽くて楽しかった。千葉雄大が高校生じゃなかったのに、高校生に見えるのは羨ましい限りです。

 

第13位 櫻子さんの足下には死体が埋まっている

☆☆☆★★

 「家売る女」を彷彿とさせる主人公と、ペットのような正太郎。ガイコツになって、「(骨が)つながった…」っていう感じも、「GO!!」とかを意識してるのかなぁ。なんかこうやって作ればヒットするって法則通りに主人公がいる匂いを感じる!正太郎がずっとモノローグで「(会社に)行きたくない行きたくない行きたくない」ってつぶやきながら出社してる様子とか、理不尽なことを言われても心の中で軽口叩く感じとか、なんかすごく人間らしくて好きでした。ラップ調で笑い飛ばしちゃう感じとか。なんかこういうことってよくあるよなぁ、社会人…ってすごく感じました。正太郎いいね。

 

第12位 人は見た目が100%

☆☆☆★★

結果、彼女たちは何を研究してたのかわからずじまいでした…。研究した結果、どうなったのかわからない。見た目が100%という割に、そこまで見た目の研究しないし、シンデレラストーリーみたいな劇的な変化もなかった。それに加えて、相手役が最低な二股男って報われなさすぎやしないかな…。結局、彼女たちはほんの少し成長しただけで、根本的には何も変わってなくて、見てる方は不完全燃焼。もっと変わって幸せな思いをして欲しかったなぁ…。それにしても部屋着の研究は一番いらないと思う。

 

第11位 きみはペット

☆☆☆★★

なんかずっと書いてるけど、やっと最終回を迎えました…。結構原作に忠実で細かく描いていて、割と私は楽しく見れました。松潤のペット感には少しオスっぽさが足らず、何を考えているのかわからないミステリアスさも感じられなかったなぁ。これはこれでよかったけど!でもちょっと長かったから中だるみもあったり。ずっと雨が降ってる印象しかなかったんですが、雨がキーワードだったんですね。とにかくラストシーンもずぶ濡れだったんで風邪引かないか心配です。

 

第10位 恋がヘタでも生きてます

☆☆☆★★

 感想としては、みんな恋愛ヘタじゃなかったですね。社長になりたい!恋より仕事!という感じの主人公、とにかくイケイケイケメンな社長、セフレしか作れない男、マグロな女。なんかそれなりにダメな部分はあっても、結婚は迫られるわ、ランニングしてただけで恋に落ちられるわ、挙げ句の果てに元カノに勝っちゃうわ…って、なんかみんなめっちゃ恋愛上手じゃん!という結果でしたね。でもなんか夜中のテンションで突っ込みながら見るのはとても楽しかったし、昔のトレンディっぽい「男に負けたくないの!」みたいな女性像がなんか可愛くて好きでした。田辺誠一のイラストは必要だったのかは謎でしたね。

 

第9位 マッサージ探偵ジョー

☆☆★★★

 

Twitterにも書いた通り、33分探偵みたいに事件性はありそうでそこまでない。そして犯人を探すということよりも、「この事件のツボだ!」っていうセリフのためだけにあるドラマ。まさに「なんやかんやは、なんやかんやです!」と一緒で、それだけを楽しむドラマでした。私は結構楽しく見れてましたね。最後の中丸くんの踊りも妙に笑えるし、とにかくいい意味で「しょーもない」推理ドラマでした。筧美和子が小学生でしたっていうオチはさすがに笑えました。

 

第8位 母になる

☆☆★★★

最初すごく胸が痛くてたまらなかった。突如子どもができた瞬間に、女性は自然と母にならなければいけない。周りに助けられて、子どもに教えられて、少しずつ「母になる」っていうのがこのドラマのコンセプトかなぁ…。多分そうなんでしょうけど、どこかオーバー気味でちょっと違和感が…。例えば、家族会議もあんな大勢でやるものではないだろうし、息子も全然反抗しない、そして息子の彼女問題も、小池栄子演じるもう一人の母問題も、なんか全部が中途半端で、少しかわいそう。一度罪を犯した人間は、ずっと許されることはないって言ってしまえばそうなんだろうけど…。とにかく一番人間らしかったのは、お父さんかなぁ。あと少し気になったのはセリフのオウム返し。「ギャーギャーって」「ギャーギャーって?」「そう、ギャーギャー」みたいなセリフが自然セリフっぽくやってるんだろうけど、ちょっとわざとらしくて気になりました。でもなんだかんだ偉そうに言いながらも、いつも泣かされてました。(笑)

 

 

第7位 CRISIS

☆☆★★★

 すごい面白いんです。面白いんですけど、なんかすごく皆セリフの声が小さくて、音量をめちゃめちゃあげてました。そしたら主題歌でびっくりするっていう、バカなことを毎回やってました笑。SPとかもそうだけど、こういうドラマは映画館とかで一気見できたらいいのになっていつも思います。世界観がしっかりあって、映像も綺麗で、なおかつセリフが小さいって映画と一緒じゃん!って思ってました。毎回きちんとハラハラできて、優等生で安定してるなぁって印象のドラマでした。

 

第6位 小さな巨人

★★★★

クスッと笑える半沢直樹、みたいな印象でした。真面目でシリアスな内容だけどキャラが濃いから笑って見れるし、楽しかったです。でもキャラが濃すぎて、毎回お腹いっぱいだった…笑。楽しかったけど、それくらいしか印象に残ってないってなんだろう…。「普通によかったよね」って友達と話す感じでした。

 

 

第5位 架空OL日記

★★★★

バカリズムは女の気持ちもかけるんだなぁ…っていう新たな発見と、男の人が書く女の人にしてはリアルすぎるし、本当に尊敬しました。面白すぎる。ドラマも面白いですけど、それよりこれをバカリズムがかいてるっていうだけで価値があるんだろうなぁ。こんな女いるよなぁって斜に構えて見ているバカリズムの感じが出ていて最高によかった。でもこれもこれで声が小さくて聞こえなかったところたくさんあったけど笑。クドカンと一緒で、1話は微妙だけど徐々に楽しくなってくる感じ。「黒い10人の女」も楽しかったし、今後も楽しみ。

 

 

第4位 リバース

★★★★★

すごい面白かったし、湊かなえも大好きだからハラハラ楽しめた。いつも思うけど、綺麗につながる時間軸や出来事の伏線が完璧。原作が読みたくてたまらなかったけど、我慢してドラマを楽見ました。主人公が知らず知らずのうちに犯人になってたっていうのは、なんかあまりにも悲しいですね…。でもすごく衝撃的だし、切ない物語ではあるけど、いいドラマだった!途中、刺されちゃったりとか、色々な事件があったけど、結局は外部が関わっていて彼らが悪いんですっていうのはモヤモヤ。もう主人公犯人でいいとは思うけど、仕方ないのかな。確かに、最終回一歩手前で終わってたら、それはそれでモヤモヤ。「Nのために」とのコラボは最高だった!

 

 

第3位 あなたのことはそれほど

☆★★★★

あれだけ色々ブログでも書いたから特にもう書くことがないけど…笑。クズの主人公とサイコパスな夫、そして最低な浮気相手と鋭すぎる妻。クズとサイコパスのオンパレード!でもギャグに走り過ぎてないし、きちんと伝えたいことは伝えられるドラマだから楽しかった。漫画の方が好きですけどね…。でも人間のクズな部分って、一番共感を呼ぶのかもしれませんね。

 

 

 

第2位 ボク、運命の人です

☆★★★★

これも書きすぎたなぁ…。とにかく私は金子茂樹の描く恋愛が好きなんだと思います。最高にときめける!少女マンガ的なときめかせ方ではなくて、繊細ですごく素敵。でも最初の方、玉を投げ返すのを待たれてるだけなんていう最高な状況が羨ましすぎたところはありナスけどね…!!!神と主人公の関係性が、友達で痛いのか、父と息子でいたいのか…そこがちょっとどう感情移入していいかわからなかった。多分前者なんだろうけど、その複雑なところもいいのかもしれないですけど。最終回も仕掛け盛りだくさんで楽しかったですね。

そしていつもちゃんこ食べてましたね。 

 

第1位 100万円の女たち

★★★★★

 

 久しぶりに新鮮で面白いドラマに出会えた!サスペンスものだけど、恋愛模様もあって、人間ドラマも感じられた。そしてこんなにきっちり人物の履歴書というか年表を作っているドラマも久しぶり。有名な無能と無名な天才だったら、無名な天才はずっと埋もれたまま。そして誰にも相手にされず、でも有名になった途端、作品なんてどうでもよくなる。だから皆、自分を認めてもらうために有名になろうとするのかなぁ…。色々考えさせられるドラマでした。

 

今クールのドラマも始まって、楽しみがまた増えそうです。

以上、独断と偏見によるランキングでした!

「あなそれ」にみる、それほど好きではない、恋愛とは。

ようやく最終回を迎えたドラマ、「あなたのことはそれほど」。

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私の中でのこのドラマは、「昼顔」ほど切なくない、「不信のとき〜ウーマン・ウォーズ」よりやりあわない、そして「奪い愛、冬」よりふざけてない、という印象。

ネットでは賛否両論分かれるドラマでした。私の周りでも、「意味がわからない、絶対見ない」派と「意味がわからないけど、面白いから見たい」派に分かれていた気がします。

どっちにしろ、「意味がわからない」ドラマだったような印象を持っていた人が大多数。そして私も美都の友人である香子(大政絢)と同僚の瑠美(黒川智花)を除いては、登場人物に現実味を感じなかった。

だけど、最終回でなぜか納得させられてしまった。

もしかするとこのドラマが一番人間らしい恋愛模様を描いていたのかもしれない。

 

まぼろしに恋する美都

「あの頃好きだった人は、あの頃の自分が好きだった人。

冷凍保存でもしとかない限り、今は自分も相手も変わってる。

あの頃好きだった人は、もうこの世にはいない、

亡霊…妖精…まぼろし…」

香子が言ったこの言葉がこのドラマのすべて。

美都がこの言葉を受けて笑ってしまったくらい、バカバカしいことだった。

美都は、「それほど」好きではない二番目に好きな人と結婚した。

そりゃそうだ。彼女にとって一番好きなのは、有島くん。

それも記憶の中の、まぼろしの有島くん。そんなの誰だって勝てるわけがない。

現に、今の有島くんはそこまで魅力的じゃない。そもそも浮気した後に、結婚していることを話すような男だ。ろくでもないのはわかっているが、美都には「有島くん」はあの有島くんであり、デフォルメがかかってしまっている。あの有島くんが自分を裏切るなんてありない。だからこそ亮太なんてどうなったっていい。

亮太が最後に、美都は恋をしたことがないんじゃないかと言っていたが、間違いない。彼女はまぼろしにしか恋ができない。

 

優しくてずるい男、有島くん

有島くんは、優しいようで優しくない。「なんの努力もしてこず」に、自分がしたいことを思う通りにしていると、自ずと結果はついてきた。

歯をみがきながら片手間に、美都にLINEをブロックしてほしいと連絡するような男だ。そして返事が来たときに言った一言。

「めっちゃ早起きしてんな」

”前のオンナ”を匂わせるこの一言がでてくるあたり、この男はずるい。

毎日子どもに挨拶をしにいっているのは、正直迷惑だとも思う。だけど、彼が続けるのは、「謝る」という行為を見てもらいたいからだ。優しい男を演じながら、結局はずるい。「したいことをしているだけ」なのに周りはそれを許してしまう。

なしくずしに許したかのように見える麗華だけど、「こんな自分にしたあなたが憎い」と言っていたように、変わってしまった自分や、綺麗な浮気相手の顔をきっと一生忘れないだろう。

高嶺の花だった有島くんと結婚した地味な麗華。形勢逆転し、彼女は有島のそんな様子がようやく見えてきた。そこで自分は、今の有島は「それほど」好きではないことに気がついたのかもしれない。

そうした気持ちを抱えて過ごす、有島との日常。

きっと有島は一生許されることなどない。

 

 「一番好きな人との結婚」を守りたかった亮太

そして最後に、サイコパスのような奇行と開きすぎた瞳孔で美都を見つめてきた亮太。

異様なまでに依存し、そして美都を愛してきたが、その様子は少し異様だった。

 

果たして彼は、本当に美都が好きだったのだろうか。

結婚生活を失った彼は、こうつぶやいた。

「あれより楽しいことあんのかな、人生。長いなぁ…」

一生懸命努力して、一番好きな人と結婚する。それが彼にとって一番しがみつきたかった幸せであり、亡き母へ見せたかった自分の将来の姿だ。

そのことに気づいた時、亮太はこう言ってのけた。

「そして今、僕の気持ちは、みっちゃんのことは…それほど?」

 

危ないストーカーのように有島を追いかけた美都、そして美都を追いかけた亮太。

アイドルを追いかけているような、大事な娘を囲い込んでいるような、どちらにせよ大きな愛情はあっただろう。

「ラストフレンズ」で錦戸くんが演じた宗祐をみたとき、どこか切ない気持ちになったのを覚えている。あれはDVというひとつの要素が加わっていたから、また話は変わってくるかもしれないが、あそこに感じたのは狂おしいほどの愛情と嫉妬。

だけどこのドラマにそれは感じられなかった。

冷静になって考えると「それほど」好きではないからだ。「結婚」と「まぼろし」に依存いて追いかけていた、それだけだった。

このドラマは、「クズっぷり」や「奇行っぷり」が話題ではあったけど、その根幹はそんなすごく人間らしいものでつくられていた気がする。