「我輩の部屋である」ー本当の自分は、自分の部屋にしかいないー
部屋にいる自分を側から見たら悲惨なものだ。
テカテカのすっぴん、自堕落な体制、そして何より意味のわからないTシャツを着ていたりする。好きな人がいたり、彼氏がいたらこんな姿は見せられない。すぐさま変なTシャツは脱いで、ジェラピケのモコモコのルームウェアに着替えるし、ルームスプレーだってふるかもしれない。明らかにそれは「よそいき」の私だ。
リラックスした自然体の自分をさらけ出せる誰も見ていない空間、それが自分の部屋だったりする。そんな素敵な空間を守るのは、主人である自分しかいない。
だからこそ、台所にあるスポンジたての吸盤が弱くなったことも、カーペットの角が少し立ってしまっていることも、どうでもいいことのように見えて、一大事だ。
「我輩の部屋である」の主人公・哲郎は必死に、自分の部屋である城を守るために一生懸命。
例えば、お母さんにもらったお土産のこけし1つで部屋の空間は変わってしまうと哲郎は空間演出を考え始めたりする。明日のデートに向けて効率の良い部屋干し方法を考えたり、山間部斜面再現を試みたり、哲郎はいつも大真面目に考察している。
主人公の哲郎は大学院生で、自分の部屋で大真面目に考察したり、大好きな植村さんとのことを考えたり、親友の吉田と喧嘩をしたりしている。
このドラマに出てくるのは主人公の哲郎ただ一人。そして彼の部屋に置いてある家具たちがツッコミ役で登場している。ただ部屋にいる哲郎を見ている視聴者の代弁役といったところだ。だからこそ本当に哲郎だけしか出てこない。
哲郎の周りの人間と言えば、大好きな植村さんと親友の吉田、そして自分に好意があると勝手に勘違いしていた佐々木さん。彼らは声すらも出てこない。
本当に哲郎と彼の部屋だけである。
強気に出たり、カッコつけたり、学者風になったり、色々な姿の哲郎が、その部屋にいる。私も自分の部屋で色々と独り言を言ってしまうから、哲郎の気持ちはよくわかる。あそこまでおかしくはないけど。(笑)
植村さんのメールや電話に一喜一憂したり、普通に電話番号を聞けばいいのに、どうしたら聞き出せるか試行錯誤している感じもとても可愛い。
家具たちツッコミも冴え渡るが、それくらい私も哲郎に突っ込まずにはいられなくなる。ツッコまれても、カッコつけ続ける哲郎だが、きっと友達の前ではこうじゃないだろう。
いきなり「えぇ…?」と素っ頓狂な声を出しちゃう哲郎が本当の哲郎だったりする。
そんな哲郎がとても人間らしい。
いろんな自分が出せる空間、そして突っ込まれても気にしないで演じられる、自由で最高の空間、それこそが「我輩の部屋である」。
「雨が降ると君は優しい」ー野島伸司の描く無償の愛ー
■セックス依存症に悩む彩ちゃんがなぜかピュア!
この間ようやく見終わった、「雨が降ると君は優しい」。野島伸司脚本のHuluオリジナルのドラマ。これが面白かった。
「性と愛、性愛だよ。愛よりも上に性がきてる」
こんなセンセーショナルすぎるセリフが出てくるのも野島伸司ならでは。「バラバラドッカーン!」とか。
野島伸司っていうと、“野島三部作”とか言われて過激で暗くてヤバそうなドラマが多いし、最近なんかよくわかんない!なんていう大人はたくさんいるけど、私は最近の野島作品がすごく好き。
トレンディドラマの頃の「すてきな片思い」も「101回目のプロポーズ」ももちろん好きだけど、「ラブ・シャッフル」以降の野島作品が“やばい”って言われてきたあたりの作品も視聴率こそよくないけど、たまらなく面白い!
地上波で最近始まった「パパ活」も楽しく見始めたけど、「シニカレ」「49」「プラトニック」あたりも好きかなぁ。
どれも「死んでいる彼」がいたり、「実の父親じゃないパパ」がいたり、母親にときめいちゃったり。なんかセンセーショナルすぎない?って感じですが、だけどなんか野島作品の主人公たちは綺麗なまま。それがすごく不思議。
野島伸司が受けていたインタビューでこんなことを言ってました。
僕としては、そんな作品でも、人間のピュアな部分、人間の本質を描きたいと思っています。そのために、物語の中に何か一つ“枷(かせ)”を作ることを心掛けています。
野島作品で大事なのはその枷があるからこそ。そしてそれがあるから、どんな困難な状況にあってもピュアで綺麗に見えるんですね。
今回の「雨が降ると君は優しい」のヒロイン・彩ちゃん(佐々木希)も、まぁ可愛い。白ばっか着てるからなのかもしれないけど、本当に純真無垢な天使にしか見えない。セックス依存症な女性だなんて全く思わないし、思えない。物語が進んでも、彩ちゃんが汚れないのは、そういうことなのかもしれない。
佐々木さんの純粋で美しい少女性は、彩の“罪悪感を持ちながらもどこかあどけない欠落感”に郷愁をもたらしてくれるでしょう。
と野島伸司が言っているように、あどけなくて可愛い彩ちゃん。まさに少女性を感じます。そんなセックス依存症(性嗜好障害)をもつ妻と夫の愛の物語、それが「雨が降ると君は優しい」。
■野島伸司が描く“無償の愛”とは?
正直、普通に考えて愛する人が知らない相手と一夜を共にしている(しかも何度も)なんて考えただけでも辛すぎる!それが不倫となったら速攻離婚だよ!という話だけど、これがそうはいかない。これは心の病で、彩ちゃんは旦那への罪悪感と自分への嫌悪感とずっと戦っているから。
私が一番ぞくっとしたシーンは、彩が一度関係を持った男にストーカーされていて、家に入ってきて犯されそうになったところ。そこで旦那さんが間一髪助けるんだけど、これはどう見ても出会い系をやっていた証拠だし、関係をもったことを言っているようなもの。
彩ちゃんは真っ先に否定します。「違う、これは違う」って。そりゃそうなんだけど、そこで彼は笑顔で振り返る。狂気に満ちた笑顔なんかじゃなくて、本当に愛しい人を見るような顔で振り返るんです。そんなこと普通じゃ絶対できない。
でも「それだけ愛情があるんだね…!素敵!」なんて純粋に思えなかった。
主人公の信夫は、たとえ石を投げられても邪険に扱われても、どうしても愛する人を嫌いになれない。それは母親への感情とほとんど一緒で、それこそが野島伸司がいつもヒロインを描く時に共通しているところ。
「S.O.S」で深田恭子が演じた唯ちゃんや「シニカレ」で桐谷美玲が演じたルリ子みたいに、清純で疑いを知らず、力強くて優しくて、自分だけを愛し、信じて守ってくれる。そんな女いるか!って突っ込みたいところだけど、それは自分にとってのお母さんだったりお父さんだったりするのかもしれない。
いわゆる“無償の愛”というのは、子供に対して持つことはあっても、恋人や夫婦の間で感じることって限りなく少ないと思うんですよ。
でも男女の関係においても、お互いに相手に対して、男性が父性本能を、女性が母性本能を感じた場合、明らかに恋とは違う、無償の愛に近い感情が生まれることもあるんじゃないかと。
野島伸司がこう言ってましたけど、信夫と彩にはそういう感情があったのかも。じゃないと結婚生活を続けるなんて到底できない。そういった感情こそが無償の愛であり、素晴らしい愛のかたちなんでしょう。
■依存こそ、愛なの?
そんな旦那さんの信夫も尋常じゃない。とにかく何をされてもずっと笑顔。笑顔が張り付いて離れない、不気味なくらい笑顔でいっぱいの男性です。
彩は、そんな信夫の好きなところを「ずっと笑顔なところ、ずっと笑顔だから、いつ笑顔じゃなくなるか知りたくて結婚した」と言ってました。それもまた怖いけど(笑)。信夫も母親に対して大きなトラウマを抱えているので、愛されるためにはずっと笑顔でいなきゃいけないと小さな頃から言い聞かせてきたのかもしれないですね。彩を誰にも見つからないように田舎にとじこめたのも、信夫自身が永遠の愛を信じられていないんでしょうね。信夫も彩に依存してる。
カウンセラーの志保も、アルコール依存症の和馬に依存しているし、和馬は亡くなった妻に依存していて、百合もしかり。
彼らはみんな心の闇を抱えていて、他人に依存することに対して葛藤しています。どこか文学的で、だけど人間臭い、そんな登場人物たちがとても魅力的に描かれています。
まとめ
“妻のセックス依存に対する罪悪感”夫の“理解しようとする葛藤”という、心と体の二律背反を描くことで、夫婦の愛の絆を試す極限状態の磁場を敷きました。
野島伸司が公式サイトでこのようにコメントを出してました。
夫婦の絆は、不倫やお金の問題によって簡単に消滅してしまうものなのかもしれない。最近も不倫が話題になってますが、それは彼らの愛の絆が緩かったからと言ったらそんなことない。この夫婦の愛の絆がおとぎ話の王女と王子のように、ファンタジーなのかも。現実味はないかもしれないけれど、彼らの絆こそ“無償の愛”だと言えるはず。心の本質を描いた、深い恋愛ドラマだと思います。
夏クールドラマ総まとめ!
■夏ドラマ総評まとめ
とにかくハラハラさせることが大事!
「コード・ブルー」
「僕たちがやりました」
「わにとかげぎす」
「ハロー張りねずみ」
「カンナさーん!」
脚本:マギー 演出:平野俊一
朝ドラばりのヒロイン頑張り系ドラマ。クズな夫と可愛い息子と頑張る私!が前面に出てるドラマでした。いつも明るく元気すぎるくらいのカンナさんが姑とか美女とか夫の浮気相手に仕事と、たくさんの敵と戦っていきます。(敵多すぎるな)
私はすごく楽しく観てましたが、若干暑苦しさもあり、コミカルに描きすぎていて疲れるなという感じもあります。というか、ここまでの仕打ちを受けても元気すぎるカンナさんは謎すぎる…。ちょっとは落ち込んでくれ。笑
「過保護のカホコ」
箱入り娘が体験する、「こんなの初めて」な「スンバラシイ」出来事は、私たちが日常で忘れていた・見逃していたこと。初めて世に出たカホコだからこそ気がつける、人の温かさや家族の大切さ、そして人間の本質。カホコのおかしなフィルターから覗く感じもたまらなく楽しかった。遊川さんの描く「歪んだ愛のかたち」は、愛しすぎてしまう親の思いだったり、すぐに結婚や子供を生みたいというところにつながる打算のないカホコの恋心だったり、過剰すぎるようで誰しもが持っているはずの感情の根源のようで、なんだかハッと気付かされるところが多いです。
ちなみにカホコの財布がFENDIで、なんかそういうところにも過保護感を感じて笑いました笑。
「セシルのもくろみ」
脚本:ひかわかよ 演出:澤田鎌作
読者モデルっていうワードは、もはやもうオワコンなのかもしれないですね。それでのし上がっていくスポ根ものというのには、あまりにも題材が古いし、それをいい歳の女性がやるのはなんか違う気もする。というかモデルじゃダメなの?「ファーストクラス」くらいドロドロに女の戦いをやられた方がスカッとするのに、どこか皆いい人で仲直りってなんじゃそれだし、とってつけたような真木よう子の大演説も視聴者ながら「いつ終わるんだろう・・・」と思ってしまいました。そして真木よう子が商店街でバイトして、ちょんまげでギャーギャー大声で笑ったりする庶民的な感じがマジで合わない。「SP」のクールな感じの方がぴったりだし、とにかくイタかったかな…。
女性陣は美しくて大好きなのになんだか宝の持ち腐れだったし、ストーリーもなんだか…。唯川恵さんって「肩ごしの恋人」の作家さんだし、原作は面白そうなのになぁ。なんだか残念な印象ですね。
「うちの夫は仕事ができない」
見た目よし、学歴よし、収入よし、そんな理想の夫がお荷物社員だった!っていうけど、でも大企業に勤めてて奥さんは専業主婦ならそれでいいんじゃないの?って思う僻み根性の私。仕事ができるできないの基準も曖昧で、それこそ窓際族という感じの扱いではないし、「ニモちゃん」と呼ばれている程度。しかも辞めさせようとして厳しい部署に行かされた割に結構できてるし、なんだかんだうまくいってんじゃない?と思ってしまう。毎回毎回踊っていたけど、踊ればいいってもんでもないし笑、毎回同じ曲だったからもっと変えてもよかったかも。主題歌にもあるように、「いい奥さんもらってよかったね…」の一言。
夫婦揃って頑張ってるから、ほんわかして見られるのはいいけどちょっと単調すぎて、錦戸くんはラストフレンズみたいなDV男とかモテまくる男とか、そういう方がいい気もする。悪い男ってわかってるけど、離れられないみたいな。こんないい人丸出しで眉毛下げた役が多いけど、勿体無い気がするなぁ。
「ごめん、愛してる」
「愛してたって、秘密はある。」
「伊藤くんAtoE」
まとめ
「過保護のカホコ」何がそんなにオススメなのか。
今期一番オススメのドラマはなんですかと聞かれたら、大体の人がみんなこぞって「過保護のカホコ」と言ってるような気がする。
じゃあ何がオススメなのか。
カホコが「すんばらしいことだよ…!」とか「こんなの初めて…!」って言うのが面白いから?
それとも、snowのアプリばりにみんなが動物になっているのが面白いから?
単純に竹内涼真がかっこいいから?
そんなの全部ひっくるめて、オススメできる条件かもしれません。
でも私は、「異常すぎる」人を描くのが、脚本を担当している遊川和彦はうまいからなのかなと思います。
ちょっとした人間の欠陥をクレイジーなくらい大げさに描くことで、視聴者はそんな彼らをバカだなぁ・ヤバいやつらだなぁと笑ってドラマを楽しむ。
だけど、どこかちくっと心を刺す部分がある。それが、
「もしかしたら私もこうなのかもしれない」
「このままいくと、私もこうなってしまうかもしれない…」
これは遊川和彦からの警告なのかもしれません…。
では、そんなこのドラマの魅力について、考えていきましょう!
主人公がとにかく「ヤバい」。
このドラマをみた私の第一印象は、「カホコ、なんかこいつヤバいんじゃないか」に尽きます。
洋服を決められない、家まで送り迎えがないとだめ、バイトもしたことない、恋もしたことない…ここまではいいんですよ。
こんな人きっとざらにいるし、そんな特に気になるところではない。
「ああ、過保護だよね」
それだけで終わる気もする。
合コンで「私門限があるの」って帰る女の子も、いるにはいるし。
ただ、カホコはヤバい。何がヤバいって彼女は、まだ赤ちゃんだから。
名探偵コナンの真逆で、「見た目は大人、頭脳は子供」ってやつです。
まんまるの目を見開いて、「スンバラシイよ!」と涙を流すのなんて、大人なのか子供なのかよくわからない。
不満なことがあると、変な顔をしてそれを表情で表すのは、赤ちゃんがお腹を空いたと言わんばかりに泣いているのと全く同じ。
そんなカホコに、なんかイラっとくるのは私だけなのかな。
それくらい自分でしろよと説教したくなるこの感じ。
そんなカホコに関わりたくはないけど、見守りたくなる不思議な感覚。
毎週見ちゃうのは、そんなアブナイヤツが気になって仕方ないからかもしれない。
そして周りにいる登場人物たちのキャラも明確で、ライオンだなんだって動物に例えられているのも面白い。
そしてみんなそれぞれヤバいのもこのドラマの魅力の1つかもしれません。
怖いくらいまっすぐなカホコの恋愛事情
最近の恋愛ドラマはー、なんてみんな言ってますね。
昔のトレンディドラマや月9みたいにストレートだったり、あるいは変化球を投げまくったり、色々な試行錯誤がなされていますが、今回は怖いくらいにまっすぐ。
なぜなら、カホコが何も知らないから。
色々理由はあったにせよ、彼に純真に「子供作ろうよ!」とまで言い出す始末。
そのあと「カホコと結婚したくないの!?」とぐいぐい迫っていく肉食っぷり。
というのも何もわかってないから言えてしまうことなのかもしれませんが。
こっそりゼクシィを置いておくなんて小技は、カホコには通用しません。
でもなんかそもそも恋愛って、駆け引き考えずに要するにこういうことなんじゃないかなって思わせてくれるのがカホコの恋愛の良さかもしれません。
初めて浴びせられる自分への中傷に「ひどい」と思い、外の世界を知り、そしてそんな彼を「すごい」・「優しい」と思い、毎日「会いたい」と思う。
カホコはこれが「好き」だということに気がつきます。
また明日ってこんなにステキな言葉って知らなかったから
カホコが4話で初くんにこう言っていました。
カホコにとって、今まで自分を明確に必要としてくれていたのは家族だけだった。でも家族以外から必要とされて、明日も会いたいと思ってもらえる、それが特別で幸せなことだと気づいて、涙する場面です。
そしてそんな彼に「何かしてあげたい」と思い始める。
どんどんそうやってカホコは初くんにまっすぐ恋をしていきます。
こうやって、きちんと「恋する」ということに順序を立てて、きっちりと描いていっているということにキュンとさせられまるのかもしれません。
何も知らないカホコが色々な体験をすることで、改めて社会とは何か、そして恋することはどういうことなのか、家族とは、生きるとは…そんな核心に迫っていける「過保護のカホコ」は素敵なドラマだと思います。
オススメポイントは2つ、主人公がとにかくヤバいこと、そしてそんな彼女の目を通して、物事の本質に気がつけること。
後半戦も楽しみたいです!
2017年4〜6月期ドラマまとめ(独断と偏見によるランキング)
今期のテレビドラマが続々終わりを迎えております。
最終回が本当に印象に残らない作品が多いなっていうのが私の印象でした。基本的に最近のテレビドラマはそういう気がします。なんか、切ないですね…。
2017年4月〜6月期のドラマまとめ
独断と偏見によるランク付けまとめ。
私が見ていた作品は、(離脱・完走含め)
- 貴族探偵
- きみはペット
- CRISIS
- あなたのことはそれほど
- 母になる
- 兄に愛されすぎて困ってます
- 人は見た目が100%
- 恋がヘタでも生きてます
- 100万円の女たち
- リバース
- ボク、運命の人です
- マッサージ探偵ジョー
- 架空OL日記
- 小さな巨人
- 櫻子さんの足下には死体が埋まっている
- フランケンシュタインの恋
でした!これから追いかけて再生しようと思ってるのは、「笑う招き猫」「3人のパパ」「残酷な観客達」「ツバキ文具店」「みをつくし料理帖」「4号警備」「火花」あたりですかね…。結構多いからいけるか微妙ですけど楽しみ。
第16位 貴族探偵
☆☆☆☆★
貴族探偵、1話しか観れてなくて進まない。その理由はただひとつ。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年6月22日
貴族だかなんだか知らないけど、やっぱり主人公が謎を解決して欲しい!ただそれだけ!!!頼むからひとりでやって欲しい。。
マッサージして犯人見つける人もいるんだから。#貴族探偵
文句無しの最下位〜!!!!笑 私も序盤しか見れておらずで、たいそれた感想もないんですけど、なんで離脱してしまったかというと…。やっぱり探偵には自分で推理してもらいたい。この一言に尽きます。貴族で探偵っていうのは、寿司職人と探偵くらい異色で面白くなりそうなのに。自分が動かずに推理するっていうのはいいとして(貴族だから)、全てが頼りきりで、そのくせ偉そうっていうのは…。何でもかんでも「貴族だから」って一言で済ませられるもんじゃない!!そしてコメディ調かと思いきやそうでもないし、なんだかよくわかりませんでした。マッサージ探偵の方が、まだ推理してる。
第15位 フランケンシュタインの恋
☆☆☆★★
フランケンシュタインってなんだっけって思ってる私のような視聴者からしたら、きのこがいつ出てくるのかってとこに恐怖しかなかった。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年4月27日
色々設定があるっぽいから勉強して見直すことにする。
僕は人間じゃないんですー(RADWIMPS)ってことしかわからん。#フランケンシュタインの恋
おそらくいいドラマなんだっていうのはわかってるんです。「泣くな、はらちゃん」みたいにじわじわくるいいドラマなんだろうっていうのは伝わってくるけど、いかんせん私はあんまり好きじゃなかったです。好みの問題かもしれませんが、とにかくあの突如出てくるボコボコが本当に苦手でした。しかもフランケンシュタインが寝ていた布団についたキノコをバターソテーして出してみんなで食べているのもゾクゾクしてしまい…。そしてフランケンシュタインが一体、歴史的にどう扱われていたのか、初期設定がわからないので初回から置いてけぼりな感じがすごかったというのが印象でした。まだ「妖怪人間ベム」とかの方が、バカバカしいけど切なさを率直に感じられた気がします。あぁ、とにかくゾクゾクした…。
第14位 兄に愛されすぎて困ってます
☆☆☆★★
よかったね!モテて困っちゃうね❤︎
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月13日
毎日つかれちゃうね、モテてるもんね❤︎
お兄ちゃんに愛されすぎだよね❤︎
ほんと私も困りたぁい❤︎
っていうドラマだった。
とりあえず羨ましいから映画は観ない。#兄に愛されすぎて困ってます
これがこの位置にくるのはどうなんだっていうランキングですね…笑。とにかくモテてモテてモテまくる主人公の話で、映画への伏線ドラマでした。内容があるかと言われたらない…です。面白いかと言われたら…普通です…。でも深夜にあのテンションで30分という枠なら、いいかなっていう感じで、みんな可愛いし少女漫画らしいバカバカしさがいい意味で軽くて楽しかった。千葉雄大が高校生じゃなかったのに、高校生に見えるのは羨ましい限りです。
第13位 櫻子さんの足下には死体が埋まっている
☆☆☆★★
話はガリレオとかあんな感じだけど、藤ヶ谷くんのサトラレみたいな心の声が面白くて見ちゃう。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月13日
これ自分もよくやる。#櫻子さんの足下には死体が埋まっている
「家売る女」を彷彿とさせる主人公と、ペットのような正太郎。ガイコツになって、「(骨が)つながった…」っていう感じも、「GO!!」とかを意識してるのかなぁ。なんかこうやって作ればヒットするって法則通りに主人公がいる匂いを感じる!正太郎がずっとモノローグで「(会社に)行きたくない行きたくない行きたくない」ってつぶやきながら出社してる様子とか、理不尽なことを言われても心の中で軽口叩く感じとか、なんかすごく人間らしくて好きでした。ラップ調で笑い飛ばしちゃう感じとか。なんかこういうことってよくあるよなぁ、社会人…ってすごく感じました。正太郎いいね。
第12位 人は見た目が100%
☆☆☆★★
なんかほんと、ふーーーーんってなかんじで見てたら、あそうって感じの結末でまさかのこれが最終回だなんて気づけなかった。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年6月17日
一体何を研究したんだ。
そして人は見た目が100パーセントなのかどっちなんだよ。#人は見た目が100パーセント#ひとぱー
結果、彼女たちは何を研究してたのかわからずじまいでした…。研究した結果、どうなったのかわからない。見た目が100%という割に、そこまで見た目の研究しないし、シンデレラストーリーみたいな劇的な変化もなかった。それに加えて、相手役が最低な二股男って報われなさすぎやしないかな…。結局、彼女たちはほんの少し成長しただけで、根本的には何も変わってなくて、見てる方は不完全燃焼。もっと変わって幸せな思いをして欲しかったなぁ…。それにしても部屋着の研究は一番いらないと思う。
第11位 きみはペット
☆☆☆★★
なんかずっと書いてるけど、やっと最終回を迎えました…。結構原作に忠実で細かく描いていて、割と私は楽しく見れました。松潤のペット感には少しオスっぽさが足らず、何を考えているのかわからないミステリアスさも感じられなかったなぁ。これはこれでよかったけど!でもちょっと長かったから中だるみもあったり。ずっと雨が降ってる印象しかなかったんですが、雨がキーワードだったんですね。とにかくラストシーンもずぶ濡れだったんで風邪引かないか心配です。
第10位 恋がヘタでも生きてます
☆☆☆★★
感想としては、みんな恋愛ヘタじゃなかったですね。社長になりたい!恋より仕事!という感じの主人公、とにかくイケイケイケメンな社長、セフレしか作れない男、マグロな女。なんかそれなりにダメな部分はあっても、結婚は迫られるわ、ランニングしてただけで恋に落ちられるわ、挙げ句の果てに元カノに勝っちゃうわ…って、なんかみんなめっちゃ恋愛上手じゃん!という結果でしたね。でもなんか夜中のテンションで突っ込みながら見るのはとても楽しかったし、昔のトレンディっぽい「男に負けたくないの!」みたいな女性像がなんか可愛くて好きでした。田辺誠一のイラストは必要だったのかは謎でしたね。
第9位 マッサージ探偵ジョー
☆☆★★★
もはや意味わかんないけど、33分探偵とかスシ王子的なノリで結構好き。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月13日
ミタゾノよりはノーマルで、スシ王子よりははじけすぎてなくて、33分探偵よりくどくない。#マッサージ探偵ジョー
Twitterにも書いた通り、33分探偵みたいに事件性はありそうでそこまでない。そして犯人を探すということよりも、「この事件のツボだ!」っていうセリフのためだけにあるドラマ。まさに「なんやかんやは、なんやかんやです!」と一緒で、それだけを楽しむドラマでした。私は結構楽しく見れてましたね。最後の中丸くんの踊りも妙に笑えるし、とにかくいい意味で「しょーもない」推理ドラマでした。筧美和子が小学生でしたっていうオチはさすがに笑えました。
第8位 母になる
☆☆★★★
施設に返しちゃうっていう優しすぎ完璧すぎな母親より、縛り付けてでも後悔しないように毎日過ごしたいって父親の方が納得できるなぁ。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月4日
(ただ洗濯機治してるだけのイケメンと思ってたけど)#母になる
最初すごく胸が痛くてたまらなかった。突如子どもができた瞬間に、女性は自然と母にならなければいけない。周りに助けられて、子どもに教えられて、少しずつ「母になる」っていうのがこのドラマのコンセプトかなぁ…。多分そうなんでしょうけど、どこかオーバー気味でちょっと違和感が…。例えば、家族会議もあんな大勢でやるものではないだろうし、息子も全然反抗しない、そして息子の彼女問題も、小池栄子演じるもう一人の母問題も、なんか全部が中途半端で、少しかわいそう。一度罪を犯した人間は、ずっと許されることはないって言ってしまえばそうなんだろうけど…。とにかく一番人間らしかったのは、お父さんかなぁ。あと少し気になったのはセリフのオウム返し。「ギャーギャーって」「ギャーギャーって?」「そう、ギャーギャー」みたいなセリフが自然セリフっぽくやってるんだろうけど、ちょっとわざとらしくて気になりました。でもなんだかんだ偉そうに言いながらも、いつも泣かされてました。(笑)
第7位 CRISIS
☆☆★★★
面白いし金城一紀だからSPとかBORDER的な感じでハラハラするしいいんだけど、全部に共通するのが、みんなボソボソ話しすぎて聞こえない。。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月7日
面白いのに眠気誘うのは私だけかもしれないけど、本当に聞こえない!
音量すごい上げてたけど寝てた。#CRISIS公安機動捜査隊特捜班
すごい面白いんです。面白いんですけど、なんかすごく皆セリフの声が小さくて、音量をめちゃめちゃあげてました。そしたら主題歌でびっくりするっていう、バカなことを毎回やってました笑。SPとかもそうだけど、こういうドラマは映画館とかで一気見できたらいいのになっていつも思います。世界観がしっかりあって、映像も綺麗で、なおかつセリフが小さいって映画と一緒じゃん!って思ってました。毎回きちんとハラハラできて、優等生で安定してるなぁって印象のドラマでした。
第6位 小さな巨人
☆★★★★
クスッと笑える半沢直樹、みたいな印象でした。真面目でシリアスな内容だけどキャラが濃いから笑って見れるし、楽しかったです。でもキャラが濃すぎて、毎回お腹いっぱいだった…笑。楽しかったけど、それくらいしか印象に残ってないってなんだろう…。「普通によかったよね」って友達と話す感じでした。
第5位 架空OL日記
☆★★★★
「ハゲに寛容な女は、父親がハゲてる説」に続き、「ダイエット頑張る」って言って続かない女のLINEは「ブヒブヒ」にしか聞こえない説。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月29日
こういうのってバカリズムじゃないと書けない毒々しさがあって好きだな。#架空OL日記
バカリズムは女の気持ちもかけるんだなぁ…っていう新たな発見と、男の人が書く女の人にしてはリアルすぎるし、本当に尊敬しました。面白すぎる。ドラマも面白いですけど、それよりこれをバカリズムがかいてるっていうだけで価値があるんだろうなぁ。こんな女いるよなぁって斜に構えて見ているバカリズムの感じが出ていて最高によかった。でもこれもこれで声が小さくて聞こえなかったところたくさんあったけど笑。クドカンと一緒で、1話は微妙だけど徐々に楽しくなってくる感じ。「黒い10人の女」も楽しかったし、今後も楽しみ。
第4位 リバース
★★★★★
リバース、なんかよくわかんない最終回だった。原作読んでないから、詳しくはわからないけど、結局外部でしたってのは、なんかなぁ。。ここまで引っ張って、よくわからないモヤモヤ展開。でもNのためにとのコラボは痺れた。#リバース
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年6月19日
すごい面白かったし、湊かなえも大好きだからハラハラ楽しめた。いつも思うけど、綺麗につながる時間軸や出来事の伏線が完璧。原作が読みたくてたまらなかったけど、我慢してドラマを楽見ました。主人公が知らず知らずのうちに犯人になってたっていうのは、なんかあまりにも悲しいですね…。でもすごく衝撃的だし、切ない物語ではあるけど、いいドラマだった!途中、刺されちゃったりとか、色々な事件があったけど、結局は外部が関わっていて彼らが悪いんですっていうのはモヤモヤ。もう主人公犯人でいいとは思うけど、仕方ないのかな。確かに、最終回一歩手前で終わってたら、それはそれでモヤモヤ。「Nのために」とのコラボは最高だった!
第3位 あなたのことはそれほど
☆★★★★
もはや主人公と旦那は、ただの危ないストーカーにしか見えない。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月24日
みっちゃんはアイドル追っかけてるストーカーで、旦那は「嫁★溺愛」って感じのストーカー。
こうやってなんか文字面だけみてると平和そうにも見える不思議。#あなたのことはそれほど
あれだけ色々ブログでも書いたから特にもう書くことがないけど…笑。クズの主人公とサイコパスな夫、そして最低な浮気相手と鋭すぎる妻。クズとサイコパスのオンパレード!でもギャグに走り過ぎてないし、きちんと伝えたいことは伝えられるドラマだから楽しかった。漫画の方が好きですけどね…。でも人間のクズな部分って、一番共感を呼ぶのかもしれませんね。
第2位 ボク、運命の人です
☆★★★★
何がよかったって、指輪をはめるところよりもボーリングシューズを治してあげたところがよかったし、手を繋いだところよりも繋いだ後に言った小声の「あざす!」がよかった。なんかこういう繊細な描写ときめく!#ボク運 #ボク運命の人です
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月29日
これも書きすぎたなぁ…。とにかく私は金子茂樹の描く恋愛が好きなんだと思います。最高にときめける!少女マンガ的なときめかせ方ではなくて、繊細ですごく素敵。でも最初の方、玉を投げ返すのを待たれてるだけなんていう最高な状況が羨ましすぎたところはありナスけどね…!!!神と主人公の関係性が、友達で痛いのか、父と息子でいたいのか…そこがちょっとどう感情移入していいかわからなかった。多分前者なんだろうけど、その複雑なところもいいのかもしれないですけど。最終回も仕掛け盛りだくさんで楽しかったですね。
そしていつもちゃんこ食べてましたね。
第1位 100万円の女たち
★★★★★
ひっさしぶりに新鮮で面白いドラマだわ。まとめて見たけど、これは本当に面白い。
— ドラマ子 (@tvdraran) 2017年5月13日
犯人が誰なのかは気になるけど、それより女たちの素性とかの人間模様も面白い。
有名な無能と無名な天才だったら皆有名にとびつくよね。#100万円の女たち
久しぶりに新鮮で面白いドラマに出会えた!サスペンスものだけど、恋愛模様もあって、人間ドラマも感じられた。そしてこんなにきっちり人物の履歴書というか年表を作っているドラマも久しぶり。有名な無能と無名な天才だったら、無名な天才はずっと埋もれたまま。そして誰にも相手にされず、でも有名になった途端、作品なんてどうでもよくなる。だから皆、自分を認めてもらうために有名になろうとするのかなぁ…。色々考えさせられるドラマでした。
今クールのドラマも始まって、楽しみがまた増えそうです。
以上、独断と偏見によるランキングでした!
「あなそれ」にみる、それほど好きではない、恋愛とは。
ようやく最終回を迎えたドラマ、「あなたのことはそれほど」。
私の中でのこのドラマは、「昼顔」ほど切なくない、「不信のとき〜ウーマン・ウォーズ」よりやりあわない、そして「奪い愛、冬」よりふざけてない、という印象。
ネットでは賛否両論分かれるドラマでした。私の周りでも、「意味がわからない、絶対見ない」派と「意味がわからないけど、面白いから見たい」派に分かれていた気がします。
どっちにしろ、「意味がわからない」ドラマだったような印象を持っていた人が大多数。そして私も美都の友人である香子(大政絢)と同僚の瑠美(黒川智花)を除いては、登場人物に現実味を感じなかった。
だけど、最終回でなぜか納得させられてしまった。
もしかするとこのドラマが一番人間らしい恋愛模様を描いていたのかもしれない。
まぼろしに恋する美都
「あの頃好きだった人は、あの頃の自分が好きだった人。
冷凍保存でもしとかない限り、今は自分も相手も変わってる。
あの頃好きだった人は、もうこの世にはいない、
亡霊…妖精…まぼろし…」
香子が言ったこの言葉がこのドラマのすべて。
美都がこの言葉を受けて笑ってしまったくらい、バカバカしいことだった。
美都は、「それほど」好きではない二番目に好きな人と結婚した。
そりゃそうだ。彼女にとって一番好きなのは、有島くん。
それも記憶の中の、まぼろしの有島くん。そんなの誰だって勝てるわけがない。
現に、今の有島くんはそこまで魅力的じゃない。そもそも浮気した後に、結婚していることを話すような男だ。ろくでもないのはわかっているが、美都には「有島くん」はあの有島くんであり、デフォルメがかかってしまっている。あの有島くんが自分を裏切るなんてありない。だからこそ亮太なんてどうなったっていい。
亮太が最後に、美都は恋をしたことがないんじゃないかと言っていたが、間違いない。彼女はまぼろしにしか恋ができない。
優しくてずるい男、有島くん
有島くんは、優しいようで優しくない。「なんの努力もしてこず」に、自分がしたいことを思う通りにしていると、自ずと結果はついてきた。
歯をみがきながら片手間に、美都にLINEをブロックしてほしいと連絡するような男だ。そして返事が来たときに言った一言。
「めっちゃ早起きしてんな」
”前のオンナ”を匂わせるこの一言がでてくるあたり、この男はずるい。
毎日子どもに挨拶をしにいっているのは、正直迷惑だとも思う。だけど、彼が続けるのは、「謝る」という行為を見てもらいたいからだ。優しい男を演じながら、結局はずるい。「したいことをしているだけ」なのに周りはそれを許してしまう。
なしくずしに許したかのように見える麗華だけど、「こんな自分にしたあなたが憎い」と言っていたように、変わってしまった自分や、綺麗な浮気相手の顔をきっと一生忘れないだろう。
高嶺の花だった有島くんと結婚した地味な麗華。形勢逆転し、彼女は有島のそんな様子がようやく見えてきた。そこで自分は、今の有島は「それほど」好きではないことに気がついたのかもしれない。
そうした気持ちを抱えて過ごす、有島との日常。
きっと有島は一生許されることなどない。
「一番好きな人との結婚」を守りたかった亮太
そして最後に、サイコパスのような奇行と開きすぎた瞳孔で美都を見つめてきた亮太。
異様なまでに依存し、そして美都を愛してきたが、その様子は少し異様だった。
果たして彼は、本当に美都が好きだったのだろうか。
結婚生活を失った彼は、こうつぶやいた。
「あれより楽しいことあんのかな、人生。長いなぁ…」
一生懸命努力して、一番好きな人と結婚する。それが彼にとって一番しがみつきたかった幸せであり、亡き母へ見せたかった自分の将来の姿だ。
そのことに気づいた時、亮太はこう言ってのけた。
「そして今、僕の気持ちは、みっちゃんのことは…それほど?」
危ないストーカーのように有島を追いかけた美都、そして美都を追いかけた亮太。
アイドルを追いかけているような、大事な娘を囲い込んでいるような、どちらにせよ大きな愛情はあっただろう。
「ラストフレンズ」で錦戸くんが演じた宗祐をみたとき、どこか切ない気持ちになったのを覚えている。あれはDVというひとつの要素が加わっていたから、また話は変わってくるかもしれないが、あそこに感じたのは狂おしいほどの愛情と嫉妬。
だけどこのドラマにそれは感じられなかった。
冷静になって考えると「それほど」好きではないからだ。「結婚」と「まぼろし」に依存いて追いかけていた、それだけだった。
このドラマは、「クズっぷり」や「奇行っぷり」が話題ではあったけど、その根幹はそんなすごく人間らしいものでつくられていた気がする。
切ない片思いを描くー脚本家:金子茂樹ー
今週のお題「私の沼」っていうことで、私の沼は言わずもがなテレビドラマです。
テレビドラマが好きな人はおそらくたくさんいる。
それにそんな人は、「好きなドラマ何?」って聞かれたらきっと3つくらいは答えられる。でも、好きな脚本家は誰?と聞かれたらどうでしょう。
「この脚本家が好きなんだよね」って、クドカンとか福田雄一とか三谷幸喜以外の方をツラツラ述べられたら、なんか通っぽく見える。なんとなく、この人マジでテレビドラマ大好きじゃん…!って気持ちになる気がする。っていうことで、脚本家について独断と偏見でまとめていこうと思います。
そんな第1回は、金子茂樹さん。
金子さんは現在「ボク、運命の人です。」を執筆されています。2004年にフジテレビのヤンシナでデビューされた方なので、比較的若手なイメージ。それでいて、きちんとオリジナル作品を書かれているってのがすごい。 そんな金子茂樹さんの連続ドラマを私なりに紹介していきます。
■危険なアネキ■
美しすぎるけどバカなお姉ちゃんと頭脳明晰な弟の姉弟モノ。派手で遊んでるように見えて、実はいい姉ちゃんなんじゃん…(感動)
兄妹っていいよねっていうか、お姉ちゃんが伊東美咲っていいよね。
■プロポーズ大作戦■
恋愛ドラマのまさに鉄板とも言える幼馴染とのむず痒い恋。そして肝心なことを言えず、できずに過ごしていたら、知らないうちに王子様にかっさらわれ、いじける主人公岩瀬健の元に天使が舞い降りる。
ご存知「ハレルヤチャンス」。
「ボク運」が神なんでパワーアップしてますね。
美大を舞台に甘酸っぱすぎる初恋!そして片思い!青春!頑張れ祐太!負けるな祐太!
祐太くん奮闘記。
これでもかっていうくらいの片思いと、中学生日記みたいな甘酸っぱさ。
とにかく切ないです。映画も良かったですけど、ドラマも結構好きでした。
法医学を扱って、“失われた命のメッセージ”を届けるって、これまたヒューマンな推理ものです。 法医学生を主人公に月9が「死」を大々的に取り上げたなぁ…っていう印象が残ってます。斬新!
■SUMMERNUDE■
いい加減にしろよと言いたくなるような朝日くん。一途なのはいいけど、もういい加減怖いよ…というくらい一途。そして海の家!っていう、リア充キラキラ感満載の空間で三角関係なんて、幸せ者か。
彼のことが好きだけど、年上でしかもCEOの彼にも迫られちゃう!これまた三角関係ラブストーリー。とりあえず楽しそう。これ一択。
残念地味OLの私にもチャンスが…という希望を与えつつも、それは綾瀬はるかという「ホタルノヒカリ」と全く同じトラップに注意すべき。
■世界一難しい恋■
そんな男が必死に頑張るラブストーリー。
とにかくありえないくらい間が悪いし、本当にひどい。これじゃ世界一難しいわ。
でもどこか愛おしくて応援したくなる可愛らしさがあって私は楽しみに見ていました。
■ボク、運命の人です。■
神が出てきて、あなたの運命の人はこの人ですよって教えてくれます。結ばれないと地球滅亡という荷が重い恋愛。笑
でもどこかほっこりするし、ときめけます。こんな神がいて教えてもらえるなら、「たられば」言わずに済むし、「ハレルヤチャンス」しなくていいかもしれない。
このドラマの中で共通するのは、恋に不器用な男が出てくるということ。
基本的に主人公の男の子は、失恋します。
失恋するけど、一生懸命一途に立ち向かっていく。 ただただかっこいい男の子というより、未練たらしくて女々しい。元気でクラスの人気者のパリピタイプではないし、面白いことも言えず、すべってしまう。
そんな、うじうじした悩める子羊タイプ。
だけどそんな彼らにイライラしながらも、どこか頑張って欲しいと応援したくなる愛らしさがある。
そして彼らは諦めない。
そんな恋に不器用な男の片思いを可愛らしく切なく描くのが金子茂樹さんの作品の特徴かもしれません。
まだ見れてない作品もあるのでしっかり見ていきたいと思います!
ハレルヤチャンス!