「過保護のカホコ」何がそんなにオススメなのか。
今期一番オススメのドラマはなんですかと聞かれたら、大体の人がみんなこぞって「過保護のカホコ」と言ってるような気がする。
じゃあ何がオススメなのか。
カホコが「すんばらしいことだよ…!」とか「こんなの初めて…!」って言うのが面白いから?
それとも、snowのアプリばりにみんなが動物になっているのが面白いから?
単純に竹内涼真がかっこいいから?
そんなの全部ひっくるめて、オススメできる条件かもしれません。
でも私は、「異常すぎる」人を描くのが、脚本を担当している遊川和彦はうまいからなのかなと思います。
ちょっとした人間の欠陥をクレイジーなくらい大げさに描くことで、視聴者はそんな彼らをバカだなぁ・ヤバいやつらだなぁと笑ってドラマを楽しむ。
だけど、どこかちくっと心を刺す部分がある。それが、
「もしかしたら私もこうなのかもしれない」
「このままいくと、私もこうなってしまうかもしれない…」
これは遊川和彦からの警告なのかもしれません…。
では、そんなこのドラマの魅力について、考えていきましょう!
主人公がとにかく「ヤバい」。
このドラマをみた私の第一印象は、「カホコ、なんかこいつヤバいんじゃないか」に尽きます。
洋服を決められない、家まで送り迎えがないとだめ、バイトもしたことない、恋もしたことない…ここまではいいんですよ。
こんな人きっとざらにいるし、そんな特に気になるところではない。
「ああ、過保護だよね」
それだけで終わる気もする。
合コンで「私門限があるの」って帰る女の子も、いるにはいるし。
ただ、カホコはヤバい。何がヤバいって彼女は、まだ赤ちゃんだから。
名探偵コナンの真逆で、「見た目は大人、頭脳は子供」ってやつです。
まんまるの目を見開いて、「スンバラシイよ!」と涙を流すのなんて、大人なのか子供なのかよくわからない。
不満なことがあると、変な顔をしてそれを表情で表すのは、赤ちゃんがお腹を空いたと言わんばかりに泣いているのと全く同じ。
そんなカホコに、なんかイラっとくるのは私だけなのかな。
それくらい自分でしろよと説教したくなるこの感じ。
そんなカホコに関わりたくはないけど、見守りたくなる不思議な感覚。
毎週見ちゃうのは、そんなアブナイヤツが気になって仕方ないからかもしれない。
そして周りにいる登場人物たちのキャラも明確で、ライオンだなんだって動物に例えられているのも面白い。
そしてみんなそれぞれヤバいのもこのドラマの魅力の1つかもしれません。
怖いくらいまっすぐなカホコの恋愛事情
最近の恋愛ドラマはー、なんてみんな言ってますね。
昔のトレンディドラマや月9みたいにストレートだったり、あるいは変化球を投げまくったり、色々な試行錯誤がなされていますが、今回は怖いくらいにまっすぐ。
なぜなら、カホコが何も知らないから。
色々理由はあったにせよ、彼に純真に「子供作ろうよ!」とまで言い出す始末。
そのあと「カホコと結婚したくないの!?」とぐいぐい迫っていく肉食っぷり。
というのも何もわかってないから言えてしまうことなのかもしれませんが。
こっそりゼクシィを置いておくなんて小技は、カホコには通用しません。
でもなんかそもそも恋愛って、駆け引き考えずに要するにこういうことなんじゃないかなって思わせてくれるのがカホコの恋愛の良さかもしれません。
初めて浴びせられる自分への中傷に「ひどい」と思い、外の世界を知り、そしてそんな彼を「すごい」・「優しい」と思い、毎日「会いたい」と思う。
カホコはこれが「好き」だということに気がつきます。
また明日ってこんなにステキな言葉って知らなかったから
カホコが4話で初くんにこう言っていました。
カホコにとって、今まで自分を明確に必要としてくれていたのは家族だけだった。でも家族以外から必要とされて、明日も会いたいと思ってもらえる、それが特別で幸せなことだと気づいて、涙する場面です。
そしてそんな彼に「何かしてあげたい」と思い始める。
どんどんそうやってカホコは初くんにまっすぐ恋をしていきます。
こうやって、きちんと「恋する」ということに順序を立てて、きっちりと描いていっているということにキュンとさせられまるのかもしれません。
何も知らないカホコが色々な体験をすることで、改めて社会とは何か、そして恋することはどういうことなのか、家族とは、生きるとは…そんな核心に迫っていける「過保護のカホコ」は素敵なドラマだと思います。
オススメポイントは2つ、主人公がとにかくヤバいこと、そしてそんな彼女の目を通して、物事の本質に気がつけること。
後半戦も楽しみたいです!