今期のドラマが始まりはじめました!ということで遅くなりましたが前クールのドラマについて書こうと思います。
■夏ドラマ総評まとめ
とにかくハラハラさせることが大事!
私が見ていた夏期のドラマを4つに大きくわかるとしたら、
ダーク青春もの・頑張るヒロインもの・
サイコパス/クズ主人公もの。それに加えて医療ものが1つという感じですかね。
刑事もの・医療ものだらけのクールも昔はあったし、そこから見たらガラッと変わりましたね。人間ドラマもあれば、サスペンスもあったし成長ものもありましたが、純粋なラブストーリーはなかったかなぁ。長瀬くんと
吉岡里帆の
「ごめん、愛してる」は完全なる韓流ドラマだし、所々「韓流くさい」演出も見られて純粋にラブストーリーとして見られなかった。でも、主人公が歩道橋の上でデートの帰りに長瀬くんが振り向くか振り向かないか試しているところは、ときめけたけど。なんか月9っぽさを感じられたし、恋愛ドラマとかトレンディって韓流と近しい部分もあるよなぁと再確認しました。
なかでもダーク青春もの
「僕たちがやりました」「わにとかげぎす」「ハロー張りネズミ」あたりはかなり挑戦した感じがあった、というより犯罪スレスレ(むしろアウト)で暴力満載、セクシーもあるよっていう深夜ドラマ感満載な要素がゴールデンに来ていた印象。それこそ生きるか死ぬか、ヤるかヤられるかっていうハラハラ。なんか
アウトレイジみたいな話だけど(笑)。
主人公にハラハラさせられたという意味では、
「愛してたって秘密はある」「伊藤くんAtoE」あたり。主人公が
サイコパスだったり、クズだったり犯罪者だったり。結局そういう主人公にハラハラさせられてドラマに引き込まれていく。ちょっと笑っちゃうくらいおかしいくらいがちょうどいいのかな。
そんな中に、みんな大好きな頑張るヒロインもの。朝ドラの純真無垢に頑張る感じというよりは、どこか斜め下くらいの角度から狙ってくる頑張り方を見せた
「カンナさーん!」「過保護のカホコ」。
渡辺直美が演じるカンナさんは顔芸満載、踊りもファッションショーもこれでもかってくらいハッピーな働くシングルマザー。クズな夫に振り回され、姑にいじめられても頑張って戦う感じが、もはや
渡辺直美ではまり役だった。それにとにかく応援したくなるのは、
渡辺直美だからこそ。可愛くて純真そうな女の子より、化粧がっつりで奇抜なファッションにふくよかな体型、それでいて笑えるって、そんなの応援するしかない!そして、話題になっていた
高畑充希演じる大人の小学生カホコちゃん。OP映像でどんどんカホコが成長して最後はウェデイングドレスをきてるっていう微妙な演出がにくかったなぁ。「すんばらしいよ!!!」をまん丸の目で連発するカホコ。なんかよくわからないけど、カホコの存在にハラハラさせられました。あの走り方と目の見開き方、初くんは本当にカホコでいいのだろうか…。最初は、なんか違和感がすごくて怖いなと思ってましたが、それくらい斜めに描くからこそハラハラさせられて応援したくなるのかもしれません。どちらかというとカンナもカホコも(名前似てるな)
異次元で、同じ人間ではないかもしれない…というと失礼かもしれないけど、違う国に生きてるフィクションだって思えるくらいのおかしさがある。だけどそこにちょっと自分も共通する部分があったりして、ハッとさせられちゃう。これがドラマの醍醐味だなと思いますね。
それでいうと、
「うちの夫は仕事ができない」のヒロインも頑張ってましたけど、あれもフィクション感がすごい。旦那を献身的に支える妻、こんな子に出会いたいってドラマってことでいいのかなぁ…。関白宣言みたいな歌が主題歌だしね。元気に頑張る若奥様感がすごくて、一視聴者としては「勝手にやってよ…」感が強かったかなぁ。錦戸くんというイケメンを夫にもつ(仕事できないといっても高給取り)
松岡茉優に私が嫉妬してるだけ?(笑)。これはヒロインに対するハラハラ感というより、錦戸くんに対するハラハラですね。馬鹿正直に仕事をこなす、という人に対する生き方へのハラハラ。
「セシルのもくろみ」とかも頑張るヒロインだとは思うけど、あれはあれでいろんなことへのハラハラを感じました(笑)。
そして高視聴率を記録した安定鉄板の
「コード・ブルー」は、そりゃハラハラするでしょうよ。ハラハラしかしませんよ。だって人間の生死に関わる医療の現場で、そして感染病にかかったり(実際は違ったけど)、自殺したり(生きてたけど)、ハラハラしかさせられませんでした。脚本家が変わったということもあり、ちょっと恋愛要素が強くて、みんな恋愛してんじゃん!感は否めなかったけど。
そんな感じで、そういうハラハラ感を刑事ものとかの代わりに取り入れてました。とにかくハラハラさせたら勝ち、みたいな印象を受けましたね。
何がいいって主題歌だけで感じるこのエモさ。私がこのドラマを好きな理由は、彼らが青春そのものだから。
医療はチームってよくいうけど、どこか「
オレンジデイズ」っぽさが抜けない、「青春を共にした僕たち」感が強くて、だからこそエモいんですよね。今回は恋愛要素たっぷりでっていう批判もありましたが、恋愛がない方もちょっとおかしいような気がするのも事実。でも確かに誰もかれもが恋愛していて、結局何にもなってないっていうのはどっちつかずだったなぁ。
“俺の人生そこそこでいい”って言い続けた彼らがクズだけど必死に生きる青春って感じかな。爆破事件の容疑者になってしまって、逃げるっていう「青春逃亡サスペンス」らしい。青春逃亡サスペンスって何!?っていう感じだけど、とにかく逃げることにエモさは全くない…。主人公が犯罪者ということは、いくら逃げても変わらない。たまに死にたくなったりはするけど、でも向き合っていかなきゃいけないっていうメッセージなのか…?誰もが青春にもがき苦しむんだろうけど、それが犯罪っていうところに共感はできないから、単にハラハラしたなぁ、という感じの感想しかない…(笑)。
脚本:高橋泉 演出:坪井敏雄
「
ヒメアノ〜ル」とか「
ヒミズ」を書いた方の原作っていう時点でダークだろうなと思っていたら想像以上に面白かった。
コムアイちゃんもよかったし、扱う問題はダークなんだけど、
有田哲平の不器用な可愛らしさと翼ちゃんの安定の天使具合が重なって、ダークすぎずに見れた。“最強に最弱な男”が、友達作りに奮起する様も可愛らしいし、その結果大きな事件に巻き込まれて平々凡々だと思っていた人生が狂っていく。ただ、人生を少し豊かなものにしようとして挑んだはずだったのに。日常を幸せなものにしようとしただけなのに、すぐそばに闇があるっていうのは今の私たちの生活にも置き換えられるし、何気に深いドラマでした。
「ハロー張りねずみ」
大根仁で深夜ドラマなんて、楽しいに決まってるよねってことで楽しみにして
たこのドラマ。正直、意味わかんないなっていう回もなきにしもあらずでした。いい意味でですけど、それをドラマとして成立させてしまうのがすごいですねぇ…。なんか「
木曜の怪談」とか観てんのかなっていうくらいの世界観の時と、寅さんみたいな世界観の時と、振れ幅が広すぎて困惑してしまったけど。突飛すぎて置いていけぼりにされたような感覚も味わいました。人情話も多めでしたが、予告で「泣かせます!」って
瑛太に言われたんで、泣いてやるもんかと思いながら観てたら泣きました笑。ちなみに
森田剛の回ですけどね。あれはずるいよなぁ。何より置いてけぼりになったのは最終回で
野田洋次郎がきたところ。なんか始まるのかと思ったら、歌います!ってそりゃないだろう!ドラマどこ行ったんだよ!
でも
野田洋次郎はファンなんで個人的には嬉しかったけどね。
「カンナさーん!」
脚本:マギー 演出:平野俊一
朝ドラばりのヒロイン頑張り系ドラマ。クズな夫と可愛い息子と頑張る私!が前面に出てるドラマでした。いつも明るく元気すぎるくらいのカンナさんが姑とか美女とか夫の浮気相手に仕事と、たくさんの敵と戦っていきます。(敵多すぎるな)
私はすごく楽しく観てましたが、若干暑苦しさもあり、コミカルに描きすぎていて疲れるなという感じもあります。というか、ここまでの仕打ちを受けても元気すぎるカンナさんは謎すぎる…。ちょっとは落ち込んでくれ。笑
脚本:遊川和彦 演出:南雲聖一
箱入り娘が体験する、「こんなの初めて」な「スンバラシイ」出来事は、私たちが日常で忘れていた・見逃していたこと。初めて世に出たカホコだからこそ気がつける、人の温かさや家族の大切さ、そして人間の本質。カホコのおかしなフィルターから覗く感じもたまらなく楽しかった。遊川さんの描く「歪んだ愛のかたち」は、愛しすぎてしまう親の思いだったり、すぐに結婚や子供を生みたいというところにつながる打算のないカホコの恋心だったり、過剰すぎるようで誰しもが持っているはずの感情の根源のようで、なんだかハッと気付かされるところが多いです。
ちなみにカホコの財布がFENDIで、なんかそういうところにも過保護感を感じて笑いました笑。
「セシルのもくろみ」
脚本:ひかわかよ 演出:澤田鎌作
読者モデルっていうワードは、もはやもうオワコンなのかもしれないですね。それでのし上がっていくスポ根ものというのには、あまりにも題材が古いし、それをいい歳の女性がやるのはなんか違う気もする。というかモデルじゃダメなの?「ファーストクラス」くらいドロドロに女の戦いをやられた方がスカッとするのに、どこか皆いい人で仲直りってなんじゃそれだし、とってつけたような真木よう子の大演説も視聴者ながら「いつ終わるんだろう・・・」と思ってしまいました。そして真木よう子が商店街でバイトして、ちょんまげでギャーギャー大声で笑ったりする庶民的な感じがマジで合わない。「SP」のクールな感じの方がぴったりだし、とにかくイタかったかな…。
女性陣は美しくて大好きなのになんだか宝の持ち腐れだったし、ストーリーもなんだか…。唯川恵さんって「肩ごしの恋人」の作家さんだし、原作は面白そうなのになぁ。なんだか残念な印象ですね。
「うちの夫は仕事ができない」
脚本:渡辺千穂 演出:佐藤東弥
見た目よし、学歴よし、収入よし、そんな理想の夫がお荷物社員だった!っていうけど、でも大企業に勤めてて奥さんは専業主婦ならそれでいいんじゃないの?って思う僻み根性の私。仕事ができるできないの基準も曖昧で、それこそ窓際族という感じの扱いではないし、「ニモちゃん」と呼ばれている程度。しかも辞めさせようとして厳しい部署に行かされた割に結構できてるし、なんだかんだうまくいってんじゃない?と思ってしまう。毎回毎回踊っていたけど、踊ればいいってもんでもないし笑、毎回同じ曲だったからもっと変えてもよかったかも。主題歌にもあるように、「いい奥さんもらってよかったね…」の一言。
夫婦揃って頑張ってるから、ほんわかして見られるのはいいけどちょっと単調すぎて、錦戸くんはラストフレンズみたいなDV男とかモテまくる男とか、そういう方がいい気もする。悪い男ってわかってるけど、離れられないみたいな。こんないい人丸出しで眉毛下げた役が多いけど、勿体無い気がするなぁ。
「ごめん、愛してる」
韓流キターーー!!!ってなくらい韓流もの。親の愛を知らない・余命いくばく・腹違いの兄弟・邪魔してくる付き人っていう韓流要素満載でした。
池脇千鶴がうますぎて震えましたが、それは置いておいて。
浅野妙子さんだから恋愛ものは絶対面白いんでしょうけど、だったら別に韓流じゃなくてもよくない?というのが正直なところ。韓流要素が満載だからちょっと笑っちゃうんだよなぁ…。雷とか雨の中、衝撃的なものを見る
中村梅雀とか笑。しかもピアニストで裕福な弟と、地べたを這いずり回っていた孤児の兄ってなんかもうそれだけでドラマチックすぎて…。
最終回で海に歩いていって孤独にこの世をさったんだろうけど、あれからどうやって移植したの???とか色々考えちゃって、拍子抜けの終わり方だったなぁ。感慨深いって言えばそうなのかもしれないけど…。
「愛してたって、秘密はある。」
普通に最初は、サスペンスで楽しんでいたんですが、まさかの
サイコパスばりの二重人格ものだとはびっくりしました。「
池袋ウエストゲートパーク」のカオルを思い出しまいたね(笑)。
途中から、
サイコパスな
福士蒼汰についていけずでしたが、最終的によくわからない感じになってましたね。二重人格だったんだ!それで!?って期待が高まったところに変なところに着地させられた印象。もうちょっと楽しませて欲しかったし、二重人格のくせに最終的にいいやつっていうのもよくわからない。そしてそんな彼でも愛せる!待てるよ!っていうのもなんか嘘くさいなぁと思ってしまいました。私の心が歪んでるのかな…(笑)。
「伊藤くんAtoE」
原作が大好きな私にとって、最高でした。映画が楽しみで仕方ない!これだけよくできた女性描写はないなと思ってます。きっと女性は誰でもこの4パターンにどこか引っかかるような気がしてます。
クズな伊藤くんだけど、なぜか振り回されてしまうハラハラ感と、その度に凹む女性特有の「何やってんだか・・・・」感。
佐々木希ちゃん演じるAタイプが、小説の中で「ショーケースに飾られたブランドバック」と表記されていたのがすごくゾクゾクしましたね。百貨店で売られている高価なブランドバック(しかも飾られてる)ともなると、実用性よりデザインで、普段使いはできない。となると、男からしてみれば連れて歩くにはいいけどめんどくさい。だからモテない。そしてなぜか伊藤くんからはぞんざいに扱われてしまう。「なんで私が!?」っていうプライドで立ってる、そんな女性がすごくリアルで。しかも結局伊藤くんが選ぶのはずっと地味な女の子だったりするところも、街でよく見るイケメンと普通の女の子だったり、美女と微妙な男の子だったり(失礼ですみません)の構図なのかなって思いましたね・・・。
リアルでゾクゾクさせられる素敵なドラマでした。面白かった〜!
まとめ
こんな感じで振り返っていきましたが、ハラハラさせられる作品が多かったですね。
他にも私の大好きな
野島伸司のhuluuのドラマも最高に面白かった。「
パパ活」も始まったし、今期のドラマも楽しみです!